がんばっぺ フラガール!~フクシマに生きる。彼女たちのいま~(2011年) | 勝手に映画紹介!?

がんばっぺ フラガール!~フクシマに生きる。彼女たちのいま~(2011年)

勝手に映画紹介!?-がんばっぺ フラガール!

【鑑賞日:2011年10月25日】

GyaOのオンライン試写会に当選、「がんばっぺ フラガール!~フクシマに生きる。彼女たちのいま~」を鑑賞した。現在行われている、東京国際映画祭の“震災を超えて”という部門でも特別上映され、10月29日から一般公開も始まるドキュメンタリー映画。先の東日本震災を乗り越えようとする、スパリゾートハワイアンズのフラダンサーや関係者に密着した作品で、震災直後の様子から、先日半年ぶりに営業が再開されるまでが綴られている。2006年公開の「フラガール」でヒロインを演じた蒼井優がナレーションを担当しているのも話題に…。

2006年に公開された映画『フラガール』でもすっかりお馴染みとなった、常磐ハワイアンセンター設立のエピソードから45年…今、いわき市は再び危機に直面していた。 東日本震災後、避難住民に一部施設を提供しながら、スパリゾートハワイアンズは営業再開に向けて動き出す。自らが被災しながらも、 踊り続けることを決意し「フラガール全国きずなキャラバン」へと向かう現代のフラガールたち。あの時のように、笑顔で踊ろう。 「一山一家」から「一国一家」へ。見すえる先は山を越え、彼女たちは、すでに、復興への"次なる大きな一歩を踏み出していた。

タイトルは“がんばっぺ フラガール”だが、それだけにはとらわれず、被災地の今、現状もちゃんと伝わってくる作品になっていた。まず、地震発生直後、地元のFM局が津波警報を伝える音声などが紹介され、現地の人々が当時の状況を語っている。3月11日…震源地から遠く離れた、オイラの住んでる湘南地区でさえ、尋常じゃない長い揺れに、これはヤバイぞと、日本沈没、地球滅亡といったSF作品みたいな単語が頭をよぎったくらいだから…被災地の揺れは、言葉では表せない、凄まじいものだったのだろうと、改めて思い知らされます。映画の取材中にもまだまだ強い余震が続くなど、画面からも気の許せない状況がひしひしと感じられた。

スパリゾートハワイアンズの、地震で倒壊した施設内部なども詳細に撮影されており…TVのニュース番組だけでは知ることのできない、現地スタッフの本音なんかも垣間見れる。従業員が施設内部を見回っただけで、本当に「もう駄目だ」って、その時は思ったらしい。さらに、地元出身のフラガールのメンバーの一人にスポットが当てられ、彼女の避難中の家族、そして原発からたった数キロしか離れていない、避難地域内にある自宅への一時帰にもカメラが密着。報道でよく目にした、住民の方々が着ている防護服が、実は自前で購入したものであるなんていう真実に、今さらながら驚いてしまった。政府や東電が用意してくれるんじゃないのかよ??

これだけ凄惨な現実に直面しながらも…東京の人間よりも、何事にも前向きなんだよね、ふっきれた表情がとにかく力強い。あの強烈な地震や津波から生き延びても、原発問題で住みなれた土地を立ち退かなければならない現実なども辛いな。そんな状況でも、故郷の近くに住みたい、なんとか元の活気を取り戻したいって頑張っている人たちがいるのに、ちょっと放射能の数値が高かったくらいで、首都圏の人間が、西の方に逃げたりしてる現実が、ちょっと過剰ではないかとオイラは思う。これは劇場映画だけど、地上波テレビなどでも、もっとこうしたドキュメンタリーを放送するべきだと思ったよ、まぁ、NHKは震災絡みの番組を積極的に放送してるけど…。


監督:小林正樹
出演:スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム 蒼井優(ナレーション)


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