アジャストメント(2011年) | 勝手に映画紹介!?

アジャストメント(2011年)

勝手に映画紹介!?-アジャストメント


【鑑賞日:2011年6月3日】

先週から始まっている、マット・デイモンの新作「アジャストメント」をシネコンのレイトショーで鑑賞してきた…フィリップ・K・ディックの短編小説を原作にしたSF作品とのことですが、原作は未読。人間の運命を改変させてしまう謎の組織が…ひと組の男女の恋路を必死になって割こうとするって映画なんだけど…予告を見た時に感じた、ミステリアスなSFっぽさはあまり感じず、ラブストーリーとしての度合いが強いように感じた。マット・デイモンを起用するくらいだから、もっとアクション要素もたっぷりなのかなと思ってたんだけれども…「ラン・ローラ・ラン」みたいに、やたらと走ってるだけだったね。個人的にはちょっとばかり拍子抜け…。

当選間違いなしとされていた政治家のデヴィッドはスキャンダルでピンチに陥る。負けを認めたデヴィッドは、敗北宣言のスピーチをトイレで練習していたのだが、なぜか男性トイレの個室から女性が現われ…。彼女と会話も盛り上がり、スピーチの内容にも大きな影響を与えてくれたのだが、名前も聞かずに別れてしまった。後日、バスの中で例の女性と偶然にも再会…エリースというその女性に一目惚れしてしまったデヴィッドは電話番号をGETして、意気揚々と仕事場に向かうのだが…。実は、デヴィッドとエリースは結ばれてはいけないと、運命で決められており、運命調整局と名乗る謎の男たちが、二人の仲を引き裂こうと画策していた…。

調査局の人間が扉をあけると、別の場所に通じてるって…どこでもドアかよ?SFの器は借りてるんだけれども、やってることはけっこう古臭いラブロマンスみたい…親に結婚を反対されたけど、諦めきれずに駆け落ちしたカップルみたいな話なんだよね。謎の組織は、正体が明確に提示されるわけじゃないんだけど、たぶん、神様と天使みたいなことなんでしょう…天使が人の恋路に介入してくるっていう展開は、なんだかユアン・マクレガーの「普通じゃない」をちょっと彷彿とさせるかなと思った。「普通じゃない」は、男女を無理やりくっつける話だったけど、本作はまさに、あれの逆バージョンって感じ…。

主人公は何度も決められた運命に屈しそうになるんだけれども、愛の力で抗い続けてって…。ご都合主義も多いけど、そこはSFなんだと割り切れば乗り切れるレベルか?とにかく愛の力を信じてって…直球のテーマは、女性客やカップル鑑賞には無難で、最適な感じだけど、正直、野郎一人の鑑賞だと、あまりノレないのも事実だろう。飽きることはなかったけど、オイラ的には繰り返し鑑賞の必要性はあまり感じなかったよ。これだったら、別に無理やりSFにしなくたっていいじゃんといいたくなった、ジョン・ウーの「ペイ・チェック」の方が全然面白く、何度も見たくなる。ニコラス・ケイジの「NEXT -ネクスト-」といい、最近はフィリップ・K・ディックものは不発が多い。


監督:ジョージ・ノルフィ  
出演:マット・デイモン エミリー・ブラント アンソニー・マッキー ジョン・スラッテリー テレンス・スタンプ


【アメリカでは既にソフトが発売済み】
Blu-ray The Adjustment Bureau
勝手に映画紹介!?-The Adjustment Bureau