エンター・ザ・ボイド(2009年) | 勝手に映画紹介!?

エンター・ザ・ボイド(2009年)


勝手に映画紹介!?-エンター・ザ・ボイド ディレクターズカット

ツタヤの旧作100円レンタルで借りた「エンター・ザ・ボイド 」を鑑賞…「アレックス」で観客をドン引きさせたギャスパー・ノエの7年ぶりの新作だそうだ。ああ、もうそんなに経つのか…東京ファンタ初のシークレット上映という企画であの問題作を見させられてから…。当時ネットで、ファンタのシークレット上映は大神源太(ユニバG)の 「ブレイド・オブ・ザ・サン」らしいという噂が流れており、頑張ってチケットを取ったのに…蓋を開けたら、訳のわからないレイプ映画だった。オイラは一応、最後まで見たけど、まるで海外の映画祭のように途中退場者も続出していたっけ…。オイラはそんなにノエに傾倒しているわけじゃないので、あれっきり作品を見返すこともなく、ただモニカ・ベルッチがエロかったなぁくらいしか覚えてないんだけど、本作もどうやらエロとドラックとバイオレンスな「アレックス」系統の作品らしい…。

あてもなく日本にやってきたオスカーは、定職にもつかず、ドラッグディーラーとして生計を立てていた。幼い頃に両親を交通事故で亡くし、たった一人の肉親である妹のリンダと離れ離れになっていたのだが、金が稼げるようになったことで、リンダを東京に呼び寄せることに…。久しぶりの再会を喜び合う二人は、東京の生活を満喫していたが、リンダはマリオという男と出会い、ストリップ劇場のポールダンサーとして働くことになった。ある晩、オスカーは友人のビクターから、ドラッグの配達を頼まれ、待ち合わせ場所のバー“VOID”に向かうのだが…その場に通報を受けた警察が踏み込んできて…。あわててトイレに逃げ込み、ドラックを処分しようとするオスカーだったが、いきなり警察官に発砲され…。

ドラックをやっているような酩酊感を体感させようとしているのか、映像はネオンのようにやたらとガチャガッチャと明滅を繰り返し、時間とか視点がめまぐるしく入れ変わる…確かに「アレックス」と同じようなノエ節全開の映像、編集。慣れるまでは、意味もわかんねーし、けっこう疲れる。話の内容が飲み込めてくると、ストーリーとかは大したことがないということは理解ができた。幼い頃に両親をなくすという悲劇に見舞われた兄妹が、どんなにもがいても、結局、幸せになんかなれなかったという因果な展開を描いてるのね。最初は、オスカー視点で、東京の街を練り歩いていたんだけど、彼が死んだことで、視点が“神の視点”のような俯瞰映像に変わっていき…オスカーの死をきっかけに、妹の身に降りかかる出来事が引き続き描かれる。あの俯瞰映像は、大事な妹を一人残したままだ死んでも死にきれないという、オスカーの魂が現世をさ迷っているということなんでしょうね?

時たま、二人の東京生活のスタート、さらには両親が健在だった幼少時代にまで遡ったりするんだけれども…そういう幸せな時間を見せることで、不幸がさらに際立つ。幼少時代可愛いかった女の子も、結局、悪い男につかまって、異国の地でストリッパー稼業…というのがちょっと切ない。で、最後の展開はなんなんでしょう…死んだ兄の魂は、妹が宿した新しい命に受け継がれ…みたいな輪廻転生を描きたかったんですかね?なんか、そういう哲学的な事が、エロとバイオレンスとラリラリ映像で紡がれます。映像技術とかは、マニアが直ぐ語りたがりそうだけど…あのヘンテコなTOKYOの街並み、オイラには、ゲームにしか見えなかった。なんかPS3の「龍が如く」みたいじゃなかった?(笑)クライマックスに登場の話題のラブホ俯瞰も…アソコが光るって演出、先に「JOHNEN 定の愛」で似た演出を見ちゃったからなぁ、あまりインパクトがなかった。


監督:ギャスパー・ノエ
出演:ナサニエル・ブラウン パス・デ・ラ・ウエルタ シリル・ロイ オリー・アレクサンデル サラ・ストックブリッジ 


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