大洗にも星はふるなり(2009年) | 勝手に映画紹介!?

大洗にも星はふるなり(2009年)


勝手に映画紹介!?-大洗にも星はふるなり


WOWOWでエアチェックしておいた「大洗にも星はふるなり 」を鑑賞…海の家で働いていたバイトのにーちゃんたちが、冬の大洗海岸に集まって、女の争奪戦を繰り広げるという、演劇っぽいノリの会話劇。弁護士の乱入により、謎解きミステリーテイストになってしまったり、アイデアはそれなりに面白いところもあるのだが、あまりのくだらなさに、途中で飽きてくる。ところどころに挟まれる笑いのツボは、オイラも大好きな「逆境ナイン」の脚本を手掛けた福田雄一なんで、クスリとさせられるところもあるんだけど…派手派手で騒がしい演出が、どうもテレビ的でくどさを感じる。ホント、WOWOW鑑賞だったから良かったものの…劇場で見ていたら、評価はもっと下がるだろう、キツい内容だ。

クリスマスイヴの大洗海岸…夏の間、営業していた海の家“江の島”が、取り壊されずにまだ残っていた。そこに、かつてバイトをしていた杉本、松山、猫田、仁科と、店のマスターが集まった。実は、みんな店のマドンナだった“江里子”から呼び出しの手紙をもらっており、自分一人だけがデートに誘われたと思って、ノコノコやってきていたのだ!彼女はなぜ、みんなに手紙を出したのか?全員が口をそろえて、“我こそが江里子の恋人だと主張し、思い出話を語りだすのだが…。そこへ見知らぬ男が突然、現れ、直ぐに海の家を撤去するよう命じる。その男、関口は弁護士だったのだ!しかし、江里子の事で頭がいっぱいでそれどこれではない5人、業を煮やした関口は、早く話にケリをつけさせようと…それぞれの言い分を検証し始める!

山田孝之とか佐藤二朗あたりは演技のうまさもあり、セリフの面白さに素直に笑えるんだけど…そこに要らん演出をのっけすぎなんだよね。役者の芝居だけで充分なのに、無駄な効果音とメイクで、本当にくどい。マドンナを口説く時、邪な事を考えている男優陣の心情を表すために、まるでお化けみたいなメイクにしてみたり。回想シーンでしか出てこない、マドンナ役の戸田恵梨香にも、変な事やらせすぎてるので、全然可愛くみえないんですよ。これはかなりマイナスだろう…アレ、戸田恵梨香ってこんなにブサイクだったっけって何度も思ってしまった。一番ひどいのは、口の周りに紅ショウガつけてニタニタ笑うところね…一応、女優なんだからそういう仕事断ろうよ。こんな女のために、こいつら何をマジになってるの?って感じに、どんどん冷めていく。男どもが可愛い可愛いを連発するほど…嫌な女に見えてきちゃう。

真打登場と言わんばかりに…物語の鍵となる、バカキャラが後半で登場するのだが…こいつのギャグも最悪なものばかり。KYギャグ連発で、その場のテンショを下げ、雰囲気をやたらと白けさせるんだけど…見ている客にも同じ寒さを味あわせてどうするよって感じ。いつもこの手の脱力系邦画で思う事だが、これが芸人さんのコント番組だったり、テレビ東京あたりの深夜ドラマなんかだったら、充分に面白いんだと思うよ。ただ、映画を見たくて見ている人間には、もうちょっと真面目に映画を撮れよと思われても仕方がないだろう。演劇的な作品だったら、まだ三谷幸喜の方が映画にはなってるわな。今度、WOWOWのドラマWで放送する今野敏センセイの「同期」の脚本、この作品の監督さんが書いているらしいんだけど、ちょっと大丈夫だろうかと、心配になってきた。監督は別のひとなので、たぶん大丈夫だと思うんだけど…。


監督:福田雄一
出演:山田孝之 山本裕典 ムロツヨシ 小柳友 白石隼也 安田顕 佐藤二朗 戸田恵梨香 


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