必殺!Ⅲ 裏か表か(1986年) | 勝手に映画紹介!?

必殺!Ⅲ 裏か表か(1986年)


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藤田まことの追悼企画ということで、先月、NHKハイビジョンで放送された「必殺!III 裏か表か 」をIVD-R-Sでエアチェックしてあったので、鑑賞した。だいぶ前、確か中学生の頃だったから、20年くらい前になるんだけれども、やはりNHKのBS2で、この作品がオンエアされ、それをVHSの3倍録画でエアチェックして見て以来だと思う。劇版の必殺は…深作欣二の「必殺4 恨みはらします」から入ってしまったので、とにかくインパクトが強かったんだけど、なんかこの“裏か表か”は、“恨みはらします”と比べちゃうと地味な印象があって今まで再鑑賞してなかったんだよね…。

南町奉行所同心・中村主水の同僚、清原は…江戸の両替商、舛屋を強請っていたのだが、舛屋の代理人である真砂屋の画策により殺されてしまう!清原の妻おこうは、真砂屋に詰め寄り、夫殺しを白状させるのだが…実はおこうは、真砂屋先代の娘であり、逆に貸金業の世界に戻ってくるように諭されてしまう。一方、主水は…知合いの後家に頼まれ、約束の金利を払わない舛屋に出向いてきたのだが…その時の舛屋との会話で、清原殺しに舛屋が関わっているのではないかと疑い始めるのだが…。

小さい頃って、主水よりも三田村邦彦が演じる秀が凄く好きだったんですよ…だけどこの作品では、おなじみのかんざしでグサってやる見せ場が少なく、秀のイメージがちょっと違うなぁって思っちゃった。だから余計に、つまらないと思い込んでたんだけど…やっぱり、必殺って中村主水ありきだなぁと、逆に藤田まことの殺陣の素晴らしさを今回痛感させられたよ。やっぱ、自分がおこちゃまだったから、このハードな路線の魅力に気づいていなかっただけなんだなぁと…改めてみると、キャラのイメージの違いしかり、「必殺4」とはまた違った面白さでグイグイと作品に惹きこまれてしまった。

晩年の作品はどうしても、動きを抑えたものが多くなってたけど、主水さんがまだまだキビキビと動いてるじゃない。全編にわたって主水の殺陣がたくさん出てくるんだけど…特に、スキャンダルを帳消しにする代わりに、捕物で斬り込み役を押しつけられるところなんて凄い迫力…「たそがれ清兵衛」の田中泯なんて目じゃないくらいの殺気。だけど仕事人として的を請け負ってるときとは、またちよっと違った表情なんだよね、あれがいい。

ストーリーの方も、仕事人がさっそうと悪い奴を退治して、爽快なラストを迎えるのかな?せんと、りつが手ぐすね引いて、婿殿の帰りを待ってるのかなと思いきや、後半になってもなかなかラストが見えてこないじゃないですか。それどころか、主水をはじめとする、おなじみの人気キャラたちも、かなり窮地に陥って、その影がちらつき、案の定あっけないくらいに殺されちゃうキャラも出てくる。たぶん、子供のころは、仕事人にもっとヒーローものっぽいイメージを抱いていたので、こういう生々しい、ハードな作風を受け入れがたかったんだと思う。でも、今見直すと…まったくそんなことはなく、逆に漠然と結末は覚えていたんだけど…主水たちはどうなっちゃうのか?というスリルが物凄く味わえた。

それと、やっぱり若い頃の松坂慶子が綺麗だった…中学生じゃ、確かにこの作品の松坂慶子の色気なんかにまだ気づかないよなぁ(笑)あと、約20年ぶりの鑑賞で…他界したばかりの藤田まことを偲んだのは当たり前だのクラッカー…じゃなかった、当たり前なんだけど、成田三樹夫や川谷拓三なんかにも、懐かしさを感じるよね。特に、冒頭は主水さんと川谷拓三の会話から始まるじゃん…なんか、二人ともも死んじゃってるんだなぁとか、妙にしみじみとした気持ちで、見ちゃいましたよね、映画が始まったばかりなのに。そういえば、監督さんもすでに故人ですね。

あと、さすがハイビジョン放送だけあって、小判の輝きがやたらまぶしく、そして必殺特有の暗闇も、暗部がしっかりとしまってて、なかなか見ごたえがありました。「必殺仕事人2009」も、たとえジャニーズに毒されたとはいえ、主水がちゃんと登場したことにより、けっこう見れてしまったんだけど…やはり時代劇にはフィルムの方が映えるなぁと、フィルム撮影の美しさも再確認させてくれる。NHKさん、ハイビジョン放送で他の劇版必殺を放送してくれないだろうか?


監督:工藤栄一
出演:藤田まこと 三田村邦彦 村上弘明 京本政樹 柴俊夫 鮎川いずみ 笑福亭鶴瓶 松坂慶子 


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