美女と液体人間(1958年) | 勝手に映画紹介!?

美女と液体人間(1958年)


勝手に映画紹介!?-美女と液体人間


「透明人間」に続き、WOWOW&e2スカパーのお試し期間中(BS初接続から約1週間、既に見れなくなった)に、日本映画専門チャンネルでエアチェックしておいた東宝特撮、「美女と液体人間を鑑賞した…こちらも今回が初鑑賞。この後の「ガス人間第一号」や「電送人間」は過去にDVDやLDで見た事があるんだよね。人間が放射能に汚染され、ドロドロと溶け出し、新種の生物に生まれ変わってしまうという…恐怖を描いた東宝特撮の1本です。

雨の夜…一人の男が交通事故に巻き込まれたのだが、現場に服や荷物を残したまま忽然と消えた。遺留物から麻薬を盗んだ強盗の一味、三崎であることが判明、警察は仲間割れによるトラブルと判断し捜査を進める。三崎にはキャバレーの人気歌手・新井千加子という恋人がいたのだが、三崎を匿っていると疑っているのは警察だけではなく、強盗団の仲間も千加子を狙っていた。そんな中、政田と名乗る男が千加子に近づき三崎の事をしつこく調べていた…彼は三崎の消失事件と、南太平洋で起きたマグロ漁船の行方不明事件が関係していると推理し、事件を調べていた学者だったのだ!

原爆実験の放射能が原因で人間が突然変異してしまうという導入部やテーマが、なんとなく「ゴジラ」を彷彿とさせますよね。ただ、一つ前に見た「透明人間」同様に、頻繁に液体人間というものは画面に登場しないので、ヒロインの千加子を軸としたサスペンスとして、警察、ギャング団、科学者まで巻き込んだドラマはなかなか面白く見れる。キャバレーでの歌と踊りのシーンなんかもある意味、ベタな作り(こういうのを現代の映画でやったらきっと不自然だよね)だが、アダルトで雑多な如何わしさが作品を盛り上げる。

で、いざ液体人間が出てきても…透明人間みたいにそれ自体は明確な意思表示をしないので、けっこう不気味さが持続しますよね。これでさ、言葉を喋っちゃって、説明調の展開になっちゃうとけっこう白けちゃうと思うんだけれども…それまでに語られてきた事実や行動で、液体人間の目的や真意を想像するというところが、ホラーっぽい怖さがよく出ていると思いますね。ラストのナレーションなども効果的で、子供のころに見ていたら「ウルトラQ」や「怪奇大作戦」みたいなトラウマが残りそうな、そんな作品でした。

クライマックスに関しては…水や火、大量のエキストラなどを使った特撮的な大掛かりな見せ場が用意されているのも良かったですね。下水道にガソリンを撒いて、液体人間をあぶり殺そうという作戦…ホームレスが纏っているゴミ袋みたいな服を着た隊員たちが、火炎放射気片手に下水道を進んでいくシーンはけっこう壮観。あと、ちゃんとした理由づけは存在したが…白川由美が下水道で下着姿にされてしまうという、自然な流れでのお色気シーンの挿入の仕方が素晴らしいよね…この時代だったら、かなりドキドキしたんだろうなぁ、ああいうシーンで。


監督:本多猪四郎 特技監督:円谷英二
出演:佐原健二 白川由美 平田昭彦 土屋嘉男 伊藤久哉 佐藤允 中丸忠雄 坪野鎌之 夏木陽介


【DVDソフトの購入】
DVD 美女と液体人間
勝手に映画紹介!?-美女と液体人間









人気blogランキング 参加中 -クリック- ご協力ください!