真・女立喰師列伝(2007年) | 勝手に映画紹介!?

真・女立喰師列伝(2007年)

真・女立喰師列伝


2008年4月23日発売の「真・女立喰師列伝 」を鑑賞。押井守が写真とCGアニメを組み合わせて撮ったパタパタアニメことスーパーライブメーション「立喰師列伝」のスピンオフを、本人を含む5人のクリエーターが監督した実写短編映画集。ちなみに自分は特典満載のコレクターズBOX を購入です。これが凄いのなんの、本編123分に加え、別ディスク2枚による特典映像が総収録約5時間。短編6作品のそれぞれ詳細なメイキングが収録されてるので、これだけで3時間もありますからね…まだ全部見きれてない。


金魚姫 鼈甲飴の有里

監督:押井守 出演:ひし美ゆり子 吉祥寺怪人 鈴木敏夫


話術と金魚の刺青を武器に、縁日の飴屋に勝負を挑む…伝説の女立喰師、鼈甲飴の有里。彼女の行方を探しさまよう一人のカメラマン…。

「ウルトラセブン」のアンヌ隊員が映画に復帰!しかもヌードを披露!若い人から見れば、しわくちゃのオバチャン、いやおばーちゃんにしか見えないかもしれないけど、オイラなんかの世代でも、ギリギリ、アンヌ隊員はドキドキするよ。あの人は今…みたいな番組でたまに見かけると嬉しかったり、この前も「ULTRASEVEN X」にダンと一緒にゲスト出演してて感動したっけ。

この作品の意味や良さが理解できない人は…今、現役で活躍している10代後半から20代前半のグラビアアイドルを想像してね。で、その人を30年間思い続けて、ようやくヌード写真を撮ることに成功したら、元カメラ小僧の自分はどんなに嬉しいか。それに成功したのが押井守ってわけですよ。

前にフランスの映画で、50過ぎのおばちゃんのベッドシーンみて、ちょっとムラムラしちゃったことがあるけど、それに近いものが、この映画にありました。



荒野の弐挺拳銃 バーボンのミキ

監督:辻本貴則 出演: 水野美紀  辻本一樹 川本淳市 松山鷹志 ハントケーシ



美貌と華麗なガン捌きを武器に、幻のバーボンを求めさまよう立呑師、バーボンのミキ。とある酒場で、悪徳保安官と対立騒動に巻き込まれる…。

文句なしに面白い、今回の短編の中で一番エンターテイメントに徹した作品。室賀厚のガンクレイジーシリーズに匹敵する女優ガンアクションもの。闘う綺麗なおねーちゃん好きとしては、その原因を作った一人でもある水野美紀のかっこよさとお茶目な可愛さにやられてしまった。仁王立ちで、二挺拳銃ぶっ放しながら、首を傾ける仕草が凄くいいんですよ。

キャストに松山鷹志やハントケーシが入ってるあたりが、ちゃんと押井守を意識してるのかなと勘ぐってみたりもする。この二人、どちらも押井実写作品に出てます。さんざん暴れまわった後に、一応、立喰師を忘れていない最後のオチとかも、水野美紀のとぼけた演技がバッチリとハマリ良かった。

銃器描写(弾丸数)に関しては、整合性を守ろうと思ったけど、テンポ重視にしちゃいましたと…メイキングで白状してましたので、許してあげてください。一応、弾詰めするシーンなんかも入れて、それっぽく見せてますので、この手のいい意味で安っぽいアクション映画に、つっこみ入れたらかわいそう。



Danelion 学食のマブ

監督:神山健治 出演:安藤麻吹 神山健治 渡辺聡



かつて牛丼屋、ハンバーガーショップで立喰師と死闘を繰り広げた神山店長、今度はファミレスの店長へ転職。そこで、おかわり自由のコーヒーしか注文しないくせに、何時間も居座り、最後には難クセをつけてお代を払わないで去っていく女と対面するのだが、その女が実は、神山の学生時代の知り合いで、学食のマブと呼ばれた女だった!

神山監督が押井さんに騙されて、TVアニメ「精霊の守り人」の片手間で撮った、実写デビュー作。前作で意外と高評価だった、神山店長のその後を、本人が描いてるんだけど…案外、古風な作風で驚く。これさ、あんなオチにしないで、それこそ押井守が好きな学生運動の話とかにすれば、もっと一昔前の純愛映画みたいになったんじゃない?

貶す程の作品でないけど、神山監督の生真面目さが出すぎちゃった感がありで、ちょっとパっとしないね。ほかの作品が個性的すぎちゃうから、地味で埋没しがちかも。

「精霊の守り人」のバルサこと、安藤麻吹…洋画吹き替えやアニメなどで活躍する声優さんだと思っていたら、舞台女優としても活躍していたそうな。確かに、宝塚系に似た雰囲気もあるな、この人。またはポスト、戸田恵子あたり?バルサ同様、実写でも姐御キャラが似合いそう。



草間のささやき 氷苺の玖実

監督:湯浅弘章 出演:藤田陽子 和田聰宏 若松武史


一面に広がる唐黍畑…そこで通りすがりの菓子業者の男たちを惑わし、いつの間にか食べ物をせしめる玖実。彼女は初老の男に雇われ、彼の身の回りの世話をしていた。ある日、通りかかったかき氷屋の男が玖実を見つけ、彼女に氷苺を差し出すが、彼女はそれを受け取らず畑の奥へ消えてしまった。男が彼女を追いかけていくと…。

凄い、中国あたりのゲージュツ映画を見せられているような気分になる。押井守に気に入られ、他の作品のカメラマンなど雑事を押し付けられているらしい若手映像作家の商業デビュー作。今回の監督陣の中でも一番の若手であるにも関わらず、逆に一番大人びた映像美と内容で魅せる。

川井憲次のメロディと相まって、とにかくエロティックで美しく幻想的。ちゃんと映画になってるよ、コレ。ついで、現実か虚構かっていうあやふやな感じが、押井作品のテーマにも共通するかなって思ってみたり。「ケルベロス 地獄の番犬」の非アクションシーンなんかをちょっと思い出すか?

映画的な見せ方を心得ているというか、一番、計算された正統派な演出。他の作品同様、DV撮影だと思うんだけど、フィルムっぽい仕上がりになっていたのも後押しして、けっこう好みの作品だった。この企画の中で、気後れすることなく、自分の撮りたいものを映像にしていく、自己主張の強さなんかも立派(「ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子」程ではないが、テーマから逸脱気味)。

こういう監督さんに大きくなって欲しいと思う反面、かつてのインディーズ系監督が、メジャー監督の仲間入りを果たしたとたんに駄作連発でガックリという日本映画の現状を考えると…当分の間は、こういう細かいお仕事をきっちりと頑張ってほしいかなって思いも。とにかく、今後の活躍に期待!忘れるとこだった…主演女優も、ものすごく綺麗だったよ。



歌謡の天使 クレープのマミ

監督:神谷誠 出演:小倉優子 池内万作



1985年、原宿…とあるさびれたクレープ屋に現れたのは、自称、アイドルの卵のマミ。彼女は店のキャンペーンガールになってあげるから、写真撮影のために、クレープを作ってくれと指示。店主は勢いに押され、しぶしぶとクレープを焼き始める…。

監督自身も言っていたが、一番、前作の「立喰師列伝」のノリを継承している作品。実際に、「立喰師列伝」の中にクレープのマミって名前だけ出てきたもんね。細かい出演者なんかも、ちゃんと「立喰師列伝」と同じ人をキャスティングしてるし。だから、本当に正当な続編て感じ。胡散臭い、ニセの昭和史をダラダラと語るところもソックリ。

80年代アイドルのぶりっこぶりの再現とかも、かなりリアルで、本当に懐かしい気分にさせてもらった。低予算を逆手にとったようなチープな映像が、けっこう笑いのセンスあり。タイトルロゴはしっかりと、クリィミーマミ風など手ぬかりなし。助監督、特撮監督などを経験してきた職人技?内容も演出も手堅さと拘りを感じ、安心して見ていられる。

バカな真似するのも大変なの~という、ゆうこりんの自虐的なギャグに大笑い(かえって、撮影後のインタビューとかの方が芝居がかってみえるよ)。こういうセリフを言わせちゃう神谷監督、恐れ入りました。



ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子

監督:押井守 出演:佐伯日菜子



AD2052…成層圏から巨大降下猟兵に乗り地球に降り立った、カーネル大佐。彼女はかつて、ケンタッキーの日菜子という名前で呼ばれていた立喰師だった…。

SFも入れておこうという、ただの押井守の趣味。だから内容がほとんどない、中途半端さ。「どこが立喰師やねん!」というツッコミがあっちこちから聞こえてきそう。撮影があっという間だったという、主演女優のコメントがメイキングにあったが、映画の内容も本当にあっという間。

モーターライズによる凝ったCG、VFXは迫力満点だが、短すぎるな。まだ、凍結中のGRMの呪縛から解き放たれてないのかな?こういう作品を作っておいて、GRMの企画を再起動させたいんじゃないかな?と感じてしまう。まぁ、ファンとしては現在製作中の「スカイ・クロラ」の次は、こういう派手なSFをお願いしたい。



押井守本人も含め、もはや“立喰師”関係ないじゃんみたいな作品も多かったが、各監督それぞれが、意識してか、そうじゃないのかは判別しにくいけど…自分のカラーを出しつつ、けっこう押井テイストも入れこんでるなぁっていうのは感じられましたね。このセリフ、押井っぽいとか、キャラの行動が、押井っぽいっていうのはありました。

長くなっちゃったので、この辺で、いったん文章を切ります…まだ書きたいこととかあるんですけど、約5時間の映像特典を全部見てから、再度、いろいろと書いてみます。メイキングをちょこっとみたんだけど、ある意味、本編より面白いかも?


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