転校生 さよなら あなた(2007年) | 勝手に映画紹介!?

転校生 さよなら あなた(2007年)


転校生

【鑑賞日:2007年6月29日】

先週から始まっている「転校生 さよなら あなた」を鑑賞した。一部の作品を除き、大林宣彦なんて昔はあまり興味がなかったんだけど、面白さが分かるようになったのはあるていど歳をくってからだった。で、ほかの作品はLDとかDVDとかビデオでいろいろと見たり、持っていたりするんだけど…恥ずかしながら、傑作と呼ばれているこの作品のオリジナル、「転校生」は未鑑賞。今回は監督自身のセルフリメイクらしいが、カメラワークまで忠実だったらしい市川崑の「犬神家の一族」とは正反対に、ストーリーや設定までもが大幅にアレンジされているとかで…オリジナルファンの間では賛否両論らしいですね。自分は、1本の新作映画として新鮮な気持ちで挑戦できました…。なんですか、その疑いの眼差しは…、決して予告で見た蓮佛美沙子の下着姿だけが目当てではありませんよ、本当に…。

両親の離婚を機に、幼少期を過ごした信州に引っ越してきた斉藤一夫…大好きだった父親や、ガールフレンドの別れなども原因で、やや落ち込み気味。そんな時、転校先の中学校で幼馴染の斉藤一美とバッタリ再開。一美は懐かしさも手伝い、他のクラスメイトたちの前で過去の思い出話を語るが、その内容に一夫は戸惑い、恥ずかしがる。一美は付き合っている彼氏もそっちのけで、一夫との再会を喜び、付きまとうのだが…次第に昔のような呼吸を取り戻していく。学校帰りに蕎麦屋を営む一美の家へ寄った一夫は…今度は話の流れで、二人の思い出の場所である“さびしらの水場”へ出かけることに。そこで、柄杓を使って水を飲もうとした瞬間…2人は水の中へ落っこちてしまった。なんとか水から這い上がった二人だったが、落ちた拍子に、二人の心と身体が入れ替わっていたのだ!?

やっぱり、あんな突飛な物語を見せるには、あのテンポの速さとテンションの高さが必要なんだろうねぇ。とにかく、映画の本題である…身体の入れ替わりと、観客がその入れ替わりに慣れるまで、下ネタ満載で一気に突き進む、ノンストップコメディ。ゲラゲラと大爆笑しながら、思いっきり作品に入り込んでしまう。かなりレトロで、強引だけど、ベテラン監督らしい力強い演出力を見せつけられ…映画らしい、映画を見たなって気分に浸れた。また、噂や前評判通り…蓮佛美沙子のちょっぴりHだけど、健全・健康的で爽やかな演技に、思いっきり魅せられる。

で、途中からは…音楽の転調みたいに、作風がガラリと変わり、一気にシリアスムードが高めな、悲劇的な展開へ。なんか、このあたりがオリジナルとの大きな相違らしいのだが…オリジナルを見ていない自分としては、違和感を感じずに素直にストーリーを受け止めることができた。ただ、最後の展開に関しては…ベタなのか、ひねりすぎなのか、人によっては感じ方も違うだろうが、自分はちょっと納得がいかないなぁ。いい感じで、泣き要素とか満喫していたのに…まだまだ色々、展開があったのかと。ちょっと登場人物がカメラ目線っぽかったり、演技が芝居がかっていたりするし、幻想的な映像、展開もあるので…一美の空想好きって設定を生かした、メタフィクション的な夢オチとか、劇オチを何度も疑ってみたりするんだけれども、果たして?

クライマックスの展開も、最初のつかみの部分同様に、アレヨアレヨという間に話がポンポンと進む。最初の泣き要素で終わっちゃっても、充分、意外性のある結末だったんじゃないかと…自分は思っているんだけどね。オリジナルファンは、その新しい設定すらも否定したいようですが。たぶん、自分もオリジナルを見ていたら、ブーたれてたかもしれんので、強くは反発しません。あと、そんなに大林宣彦信者じゃない自分でも、大林作品のパロディっぽいシーンがいっぱい見つけられて、そこは楽しかったですよ。

映画パンフレットとか公式サイトの受け売りみたいな感想になっちゃうけど…蓮佛美沙子のピアノ演奏&歌唱シーンは、なんだか心が洗われる思いでスクリーンを見つめてしまった。実は、見に行ったシネコンで、本日…蓮佛美沙子の舞台挨拶とサイン会がある。当初サイン会の方は、映画公開に合わせて発売した写真集購入者対象ということだったのだが、映画が終わった後にパンフを購入したら…パンフ売り場の人が、パンフレット購入者にも、買ったパンフを持っていけばサインをしてくれるので、ぜひサイン会に参加してくださいと言っていた。後で、生美沙子たんを拝んでくるかなぁ(笑)


監督:大林宣彦
出演:蓮佛美沙子 森田直幸 清水美砂 石田ひかり 田口トモロヲ  犬塚弘 古手川祐子 長門裕之  


【オリジナルの旧作はこちら】
DVD 転校生





蓮佛美沙子写真集はこちら】

川田 洋司
フォトダイアリー蓮佛美沙子―With映画「転校生さよならあなた」








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