エンター・ザ・フェニックス(2004年) | 勝手に映画紹介!?

エンター・ザ・フェニックス(2004年)


2006年12月8日発売、レンタル開始の新作DVD「エンター・ザ・フェニックス 」を鑑賞した。先月リリースされた「ドラゴン・プロジェクト」に続く、香港スターのスティーブン・フォン監督作品なのだが、実際はこちらの方が先に撮られたもので、監督デビュー作なのだそうだ。

香港黒社会の大物・洪一…彼の手腕により敵対組織との仲も温厚な関係を保ってきたのだが…そんな洪一に死期が迫っていた。心残りは、海外に追放した一人息子のこと。その息子ジョージには実はゲイという秘密があった。それを承知で、彼に跡目を継がせようと、洪一の部下、ハチとキン(親子)はタイまでやって来て、居所を突き止めたのだが…たまたま部屋にいたジョージのルームメイト(ゲイではない)のサムを、ジョージと勘違いして交渉を開始してしまった。父を嫌い黒社会と縁を切りたいジョージ、逆に子供の頃からマフィアの首領になりたいと願っていたサムは相手の勘違いを利用して入れ替わりを画策。ジョージもサムの付き添いとして、一緒に香港へ来る事になった…。

ありがちな香港黒社会ものだが、適度なギャグを織り交ぜたアクションコメディとなっている。まぁ、お約束だけど「男たちの挽歌」のパロディシーンとか、思わずニンマリ。妙にゴッドファーザー意識した音楽とかも、香港映画らしい安っぽさでいい感じ。ダニエル・ウーの“ゲイ達者”な演技もそれっぽく…このネタで、ギャグからシリアスまできっちり見せてくれるし…ゲイだけど、アクションは超一流なので、クールなライバルとして登場する、スティーブン・フォンとのバトルなどなかなか本格的。アクションを演じる事はなかったが、ユン・ピョウやジャッキー・チェン…その他スティーブンのお仲間若手スターがカメオ出演しているのもファンにとっては嬉しい。

監督デビュー作ということで、「ドラゴン・プロジェクト」よりは、あれもこれもとやりたいことをつめ放題な印象を受けるが、メインテーマは「ドラゴン・プロジェクト」同様に親子の絆と非常に分かりやすいもの。香港映画のギャグなんかだと…文化の違いですべりすぎるとオフビートを通り越してシュールになってしまうのだが、軽い下ネタ、ゲイネタ系が多めなので(笑)、日本人でもそれなりに楽しめる。ハチとキン親子を演じたロー・ガーイン&チャップマン・トゥの掛相もけっこう馬鹿馬鹿しく…チャップマン・トゥの「安い安い」と、突然飛び出す日本語ギャグとか、いったい誰のセンスなんだろうか? 劇中では終始、クールな表情だったスティーブン・フォンは、いったいどんな顔して演出していたんだろうか?と想像してしまう。

監督:スティーブン・フォン
出演:ダニエル・ウー イーソン・チャン カレン・モク ロー・ガーイン チャップマン・トゥ ユン・ピョウ

【DVDソフトの購入】
DVD エンター・ザ・フェニックス





人気blogランキング 参加中 -クリック- ご協力ください!