ブラック・ダリア(2006年) | 勝手に映画紹介!?

ブラック・ダリア(2006年)

ブラック・ダリア


【鑑賞日:2006年10月20日】

昨晩、シネコンのレイトショーで「ブラック・ダリア」を見てきた。実在のブラック・ダリア事件を題材にしたジェイムズ・エルロイの小説をブライアン・デ・パルマが監督したという話題のクライムサスペンス。映画誌のレビューなんて読んでると、いかにもデ・パルマらしい映画であり、デ・パルマらしくもない映画と…結局どっちやねんみたいな評論を多く見受けるんだけど…今までのデ・パルマ映画が好きな人だったら楽しめるだろう、通な映画にはなっているよね。

元ボクサーのバッキー・ブライカートと同じく元ボクサーのリー・ブランチャードは共にLA市警の警官だった。水兵による暴動事件をきっかけに知り合った二人だが、その後、警察のPR活動の一環で行われたボクシングの試合に借り出され、特捜課という花形部署への昇進を果たし…それ以来、刑事としてコンビ組むようになった。バッキーはリーが同棲している恋人のケイとも打ち解け、3人はプライベートな時間を共に過ごすようになっていく。ある日、老人を殺し、幼女を暴行した凶悪犯ナッシュを追う二人は、張り込捜査中だったのだが、突然銃撃戦に巻き込まれてしまい、現場に居合わせたタレコミ屋のフィッチが殺されてしまい、結局ナッシュは姿を現さなかった。その直後…近くの空き地で女性の残虐死体が発見される。見るも無残な猟奇殺人に異様な執着を見せるリーは、ナッシュの捜査もほっぽりだし、殺人課への転属を願い出る…。

ボクシングの話題から映画が始まるので、ちょっと「スネークアイズ」を思い出したりしてみるのだが、そんなことを考えているうちにどんどんと語は進む。ジョシュ・ハートネット扮するバッキーと、アーロン・エッカート扮するリーが知り合って、相棒になるまでのエピソードが、かなりの速さで語られていくので、油断していると人物設定を理解できないまま置いてきぼりくっちゃいそうだ。

で、刑事として相棒になり、とある事件の張り込み中に、いきなり銃撃戦に発展し…その後に、映画のメインでもある“ブラック・ダリア事件”の勃発という流れに…。それぞれの事件やキャラクターが干渉し合い、ラストに到達するまでに、真相が小出しにされていくんだけれども、それらが全部出揃うと、一本筋が通って、案外シンプルな構図が見えてきて、やっぱりそうだったのかという展開ではあるんだけれども…そこに至るまではかなり頭を使う映画になってますね。ボーっとしていると付いていけなくなりそうな気配が最初から濃厚だったので、かなり真剣に見入ってしまったのだが…そのおかげで映画のそこら中に張り巡らされれている細かい伏線に結構、気づけたかな?色々と憶えておくと、最後で一応スッキリはするよね。

凝った表現、演出もいっぱい出てきて映像も面白い。特に、銃撃戦前後のカメラワークと編集、後半でリーの後を追っかけてとあるビルにバッキーが踏み込んだ後のシーンなど、ゾクリとさせられますね。先月号の映画秘宝でもデ・パルマ信者の映画業界の方々が、「ファムファタール」級のトンでも映画を期待しちゃうと、物凄くまともな映画なので、そこが物足りないと言っていたが…それでも変てこで、アナクロな映像テクニック満載のところなどは、しっかりデ・パルマらしさが味わえる。“どっちやねん”の評論家の意見って、映画を見ると納得させられるな。

ただ、もっと謎が謎を呼ぶ…猟奇殺人の捜査を前面に押し出した内容なのかと思いきや…意外と悪女(たち)に翻弄される男(たち)のラブストーリー風でもあったかなと。バッキー&リー&ケイの三角関係をはじめとするいくつかのトライアングルが映画を解く鍵であり、テーマであると。

ジョシュ・ハートネットだ、ヒラリー・スワンクだ、スカーレット・ヨハンソンだって旬の俳優をそろえた派手な大作映画のように宣伝されているけど…実際は映画マニア向けの地味で硬派な映画でしたね。昔のデ・パルマ作品の常連だったウィリアム・フィンレイをはじめ、フィオナ・ショウとかベテランの怪演がとにかく見所!


監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:ジョシュ・ハートネット アーロン・エッカート スカーレット・ヨハンソン ヒラリー・スワンク 

【映画秘宝でブラック・ダリア特集】
DVD 映画秘宝 2006年 11月号 [雑誌]
映画パンフでも、インタビュー取材などを担当していた柳下毅一郎さん、業界きってのデ・パルマ通、イラストレーターの三留まゆみさんらが集結し、「ブラック・ダリア」について、色々と熱く語っています。映画パンフと合わせて読むと、作品をより深く理解できるのでは?







【同じ原作者の傑作クライムサスペンス】
DVD L.A.コンフィデンシャル

あれ、コレって廉価版出ていなかったっけ?Amazonのマケプレで定価以上になってますね~。オイラも持ってるけど、もしかして今が売り時だったりして…そのうちに再版されちゃうんだろうなぁ。原作者が同じなので、ハリウッドのスキャンダルが関わってくるところ、刑事が女に翻弄されるところなど、似ているところも多々あり。





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