ZOO(2004年)
2005年8月5日発売、レンタル開始の新作DVD「ZOO」を鑑賞した。乙一の同名の単行本短編集から…5作品が映像化された、映画のほうも短編作品集となっている。実写映像を中心に、アニメーションまで駆使し…どれも乙一らしい変な映画がズラリと揃った。自分は単行本の「ZOO」はまだ読んでいないのだが(古本で見つけて買ってはあるんだけど)…、この映画の中で映像化された“SEVEN ROOMS”という作品を、別のホラーアンソロジー本で読んだのが、乙一とのファーストコンタクトで、それ以来、何冊か乙一の小説を読んできている。
カザリとヨーコ 監督:金田龍 出演:小林涼子 松田美由紀 吉行和子
カザリとヨーコは一卵性双生児…しかし母親はカザリばかりを可愛がり、ヨーコには虐待を繰り返す。カザリも、それが当たり前のごとく振る舞い、ヨーコを虐めている。
原作は読んでいないのだが…他の小説を読んだ時に感じている乙一らしさが、この映画では充分伝わってきた。小林涼子の一人二役…最初は同じ人かどうなのか、自身なかったけど…双子という設定がわかったあたりで、ああやっぱりという感じ。汚いヨーコの姿なんか、別人だよなぁ。凄い。
SEVEN ROOMS 監督:安達正軌 出演:市川由衣 須賀健太
姉と弟は何者かに拉致され…コンクリートの狭い部屋に閉じ込められてしまった。汚物が流れる水路を伝って、身体の小さい弟なら外に逃げられるのではと思いつくが、結局、同じように若い娘が監禁されているという事実がわかっただけで、逃げることはできなかった…。
自分がはじめて読んだ乙一作品であり、この映画の中で唯一原作を読んでいるもの。読んだ時の不気味さ、怖さが、よく出ていて…意外と自分がイメージしたビジュアルに近かった(コンクリートの狭い部屋だから、ビジュアル化もしやすかっただろう)。汚物が流れる水路に、弟が潜るところなんて…マジで臭そう。ただ…監禁されている女の子たちが、もっと汚れて、もっと壊れていた方が、良かったかな。ちょっとばかり綺麗過ぎた(女優陣、意外と豪華)。「カザリとヨーコ」に出てきたヨーコが、そのままこっちの被害者になってても良かったくらい(笑)欲をいえば…もうちょっとえげつない映像を期待してました。先に原作を読んじゃって、結末を知っていた作品としては、自分の中では合格点。
SO-far そ・ふぁー 監督:小宮雅哲 出演:神木隆之介 杉本哲太 鈴木杏樹
両親と1人息子の三人家族。ある日を境に…父には母が見えなくなり、母には父が見えなくなった。父は母が交通事故で死んだ言っているし、母も同じように父は事故で死んだという…。
これは、先に小説で読みたかったなぁって感じです。失敗したかなぁ。想像していたオチを見事に裏切ってくれた。乙一の小説って、文章の語り口が上手いからこそ、オチがすぐばれちゃうみたいなところがあるんだけど…小説版を先に読んでいたら、自分はオチを想像できたのだろうか?タイトルのつけ方なんかも、いかにも乙一っぽいですよね。
陽だまりの詩 監督:水崎涼平 キャラクターデザイン:古屋兎丸 出演:鈴木かすみ 龍坐
一人の男は、自分の死後、自分の身体を埋葬するために…少女を造りだした。生きているうちに、彼女に死の概念を教え込もうとするのだが…。
よくあるSFのアンドロイドものって感じかな?それでも乙一らしい…どこかせつないテーマはよく描けている。古屋兎丸の絵が動いてるのも、なんかいいですね。
ZOO 監督:安藤尋 出演:村上淳 浜崎茜
廃園になった動物園で、別れ話を持ち出された恋人を殺してしまった男。毎日、その動物園に通っては、恋人の死体の写真を撮り続けていたのだが…。
オシャレな映像と音楽…自分のイメージした乙一の作品とは、だいぶかけ離れた映像だった。話も5本の中で、一番わかり辛い気もする…。デヴィッド・リンチをやろうとして失敗したような…。ぜひ原作を読んでみようと思った。(やっぱり作者は「ロスト・ハイウェイ」を意識していたようです…付録のブックレットに書いてあった)
今度は小説を読んでから、再チェレンジしてみようと思った。
【DVDソフトの購入】
DVD ZOO

