愛を乞うひと(1998年) | 勝手に映画紹介!?

愛を乞うひと(1998年)

昨日、「よくぞDVD化してくれた名作・迷作 邦画編」という書き込みでも取り上げたのですが、12月23日に平山秀幸監督の「愛を乞うひと」(1998年)がようやくDVD化された。公開当時、映画舘でも鑑賞したし…レンタルビデオも借りたほど好きな作品だ。LD化もDVD化もされなかったので…今まではレンタル落ちなど中古ビデオを探さなきゃいけなかったのだが、ようやくこれで好きなときに鑑賞できる。

実の父親を病気で亡くし、母親には虐待を受けてきた主人公の照恵。現在は自分も結婚、夫との死別を経験し娘と二人暮らしをしている。そんな彼女は…死んだ父親の遺骨探しをしていた。遺骨探しをしながら…自分の壮絶な人生を思い返していく。現在と過去、二代にわたる母娘の関係(自分と母親、自分と娘)を描いた力作。


虐待シーンの効果音が、こっちまで“おえっ”ってなっちゃう程、こんなに生々しく聴こえたっけなぁ。やっぱ、DVDの表現力はすごいなぁとあらためて感心。

原田美枝子が一人二役に挑戦し…特殊メイクなどを利用した老け役にも挑戦。芸達者ぶりが再確認できるのだが、更に、こういったドラマ的な作品には珍しく、デジタル技術も駆使した合成カットが出てくるなどして…当時はけっこう驚いたものです。中井貴一は照恵の父親で、病気を患っている台湾人という役柄なのだが、これまた本当の病人のように貧相で、リアルな芝居を見せてくれる。でも、小日向文世と熊谷真実の老け役は、かなり不自然だったなぁ~(笑)普通に芝居してるときは、二人とも上手なんですけどね。

また、原田美枝子の娘役を、野波麻帆が演じている。映画舘で見た時に、この娘、可愛いな~って思って、彼女の存在を気にし始めた作品でもある。スクール水着や高校の制服姿など、初々しい野波麻帆が拝めるのが、ファンにとっては嬉しい。この頃から、なかなか豊満なバストで…思わず目線が胸に集中してしまう(笑)

DVDを鑑賞していて、初めて気づいたのだが…すごいチョイ役で「ひみつの花園」など矢口作品でもお馴染み、西田尚美嬢が出ていた。今まで全然、気づかなかったですよ。杉並区役所の戸籍係が尚美ちゃんだったんだ…。そういえば、この映画は、杉並、中野周辺でロケがされていて、公開当時、杉並周辺によく出没し、区役所にも何度も行ったことがあったので、ロケ場所はすぐにわかったんだけどなぁ。そればかりに気をとられて、尚美ちゃんの存在を見落としてました(本当の区役所職員だと思っていた)。

今、思い出したのだが…この作品の脚本を書いているのが鄭義信氏だ。ちょうと、この映画を6年前に鑑賞したとき、同じ日に「犬、走る」という崔洋一監督の映画をハシゴで見たのだが、そちらも鄭義信氏が脚本を書いていた。同じ脚本家が、こうも違う作風の物語を書くなんて、すごいなぁって驚いたのを憶えている。「犬、走る」もDVD化してくれないかなぁ。


監督:平山秀幸
出演:原田美枝子 野波麻帆 小日向文世 熊谷真実 國村隼 西田尚美 うじきつよし 中井貴一

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愛を乞うひと