リメンバー・ミー | MOVIE DRIVER(元 ムービーレビューの館 vol.2.0)

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現在公開されている旬の映画を、ただ観てネタバレ含む感想を書くブログです。
3年目に突入しましたが、つたない文章、酷い言葉遣い、サボり癖が目立つので、今年は全世代の人が安心して読めるブログにします。嘘です。

 

『リメンバー・ミー』

 

<STAFF>

監督:リー・アンクリッチ

共同監督:エイドリアン・モリーナ

製作:ダーラ・K・アンダーソン

製作総指揮:ジョン・ラセター

脚本:エイドリアン・モリーナ、マシュー・オルドリッチ

編集:スティーブ・ブルーム

音楽:マイケル・ジアッキーノ

日本版エンドソング:シシド・カフカ、東京スカパラダイスオーケストラ

原題:『 Coco 』

 

<CAST>

・アンソニー・ゴンサレス/石橋陽彩(ミゲル)

・ガエル・ガルシア・ベルナル/藤木直人(ヘクター)

・ベンジャミン・ブラット/橋本さとし(エルネスト・デラクルス)

・アランナ・ウバック/松雪泰子(イメルダ)

・・・etc

 

<STORY>

天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルはミュージシャンを夢見ているが、過去の悲しい出来事が原因で、彼の一族には音楽禁止の掟が定められていた。ある日ミゲルは、憧れの伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟に飾られていたギターを手にしたことをきっかけに、まるでテーマパークのように楽しく美しい「死者の国」へと迷いこんでしまう。ミゲルはそこで出会った陽気で孤独なガイコツのヘクターに協力してもらい、元の世界へ戻る方法を探るが……。(以上、映画.comより)

 

<TRAILER>

 

 

 

 

 

はい、ディズニー映画は出来るだけ観に行こうと決めており、今作はちょうど先日のアカデミー賞、「長編アニメーション部門」と「主題歌賞」を獲得している凄そうな映画だったので、しっかり観に行ってきました。

 

 

 

 

まず簡潔な感想からいきたいと思いますが、

大傑作!!!大号泣!!!

でございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

まずはいつも言っていることなんですが、「アニメーションのクオリティが流石!!」ということ。

もう当たり前になっており、今更言及すんのもどうかと思うんですが、本当に観ていてウットリするくらいの相変わらずなクオリティ!!!

死者の国のカラフルな世界観や、人間界と死者の国を繋ぐマリーゴールドの橋など本当に良く出来まくっているんですが、個人的に言いたいのは何と言っても「人の顔」!!!

主人公のミゲル君の顔アップしてある時のリアルさですよ!!!

そばかすかな?顔にある小さなほくろみたいなものもしっかり作りこまれており、とんでもないところまで来たな~と感心するしかない!!!!

あと、おばあちゃんのしわなんかも凄かったですね~。

その他にも、建物、花火、洋服、骨のリアルさまで、最高に手がかかっている!!!!さらに、パンフレットによると、ギターを弾くミゲル君の弦を抑える指までまんま再現しているらしく、さらに「忘れられそうなガイコツの骨は光がなくなっている」とパンフレットに描いてあって、どんだけこだわりまくっているんだと感じました。ピクサー怖すぎる。

特に、同時上映の後なのでより際立って凄く感じました、ということは同時上映の意味があったのかな??

 

 

 

 

 

 

 

 

今作で語られているテーマの一つとして、「生と死」という普遍的なお話にメキシコの祭礼行事 ‟死者の国” を絡めて「伝統」、「家族」のテーマが加わりストーリーが進んでいきます。

そもそも「死者の国」というガイコツだらけの国というのが、実写ではまず無理な世界観なので、やっぱり目の付け所が違うなぁなんて感心しているんですが、パンフレットによると監督のリー・アンクリッチさんは作品化に当たって3年かけてメキシコにおける ‟死者の国” の文化や人々の捉え方などを徹底的に研究しており、この行事は人々にとって悲しい行事ではなく、家族とまた会える超楽しい日であるということを再現しようと、超絶な努力をされたわけなんです。

 

 

 

 

本題に戻りますが、今作では「伝統」を守るが故に夢をあきらめさせられる主人公ミゲル少年が、死者の国で先祖と会うことで自分より何世代も前の御先祖がなぜ音楽を禁じたのかを知り、そこから自分が伝統を守りつつも変えていくのだ!!と奮闘するお話なんですが、語られていることをまとめると、

 

「家族の伝統を受け継ぐためには、代々受け継いできた先祖の気持ちを分からないといけない。その為には自分の先祖の昔話を聞くことで少しは理解出来るし、そうやって初めて長い歴史の先に自分が生かされていることを実感することが出来る。」

 

ということなんじゃないかなと思います。相変わらず凄い所を攻めてるよ、ピクサー。

これは家族だけの話ではなくて、会社や学校でも置き換えが出来ると思います。ピクサーがエンドロールの最後で出す数多くの先人たちの顔写真のシーンがありましたが、これこそがピクサーの決意の表れで、「私たちは今までの伝統を受け継ぎつつ、新しいことにもどんどん挑戦していきますんで、見ていてね!!」というポジティブな考え方を提示してくれるわけですよ。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今作で象徴的に歌われる歌、 ‟REMEMBER ME” 、これが一体誰から誰に歌われているのか、前半と後半では全く違う人になっている辺り、『ブラックパンサー』の冒頭のワカンダ解説シーンみたいで良く出来てるなぁなんて思いました。

てのは置いといて、前半でのデラクルスが歌っているこの曲と、終盤でのこの曲、全くテンポもテイストも異なっているんですけど、デラクルスのように色んな人に愛され、親しまれつづけていること、それに対してヘクターは多くの人に愛されているわけではないけれど自分の娘ママ・ココに本当に愛されてつづけていたということ、この2人のキャラクターは対比的な存在になっているんですが、ここから見えてくるのは「家族の大切さ」ですよね。

(日本版の主題歌は前半のデラクルスっぽいポップな歌なんですが、個人的にはこの曲はヘクターのほうのテンポが好きです)

 

 

ー本当に死ぬときは人に忘れられた時ーとワンピースや色んな所で聞きますが、それを恐れるがあまり相棒という大切なモノを自らで奪ってしまったデラクルスは、結局二度目の死を迎えてしまいました。一方ヘクターは、二度目の死を迎える寸前にママ・ココによって自分の思い出話を語られたおかげで、また自分の娘を抱きしめることが出来ました。ミゲル君からこの曲を歌われたときのママ・ココの笑顔が証明してくれるんですが、この名シーンは嗚咽しながら大号泣してしまいました。やっぱり夢を追い求めすぎて家族をおろそかにしてしまうことは絶対にダメ!!! この考え方をヘクターから教わり、ミゲル君はその両方を大切にしなきゃという思いが出来たわけです。

 

そんなミゲル君が最後のヘクターのギターで歌う曲が、 ‟PROUD CORAZóN” という曲。歌詞もまた素晴らしく、ちゃんと成長しているのが分かるので是非聞いていただきたい!!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファミリー映画ってのはごまんと作られており、この「家族のテーマ」なんて聞き飽きたかもしれません。王道中の王道かもしれません。先が見えてしまうという声も分からんでもないですが、その先に提示してくれる継承と挑戦。これが真摯に伝わってきて個人的にはピクサー映画でもトップクラスに大好きな映画になりました。

同時上映の「アナと雪の女王 家族の思い出」は、ちょっと長すぎたかな~と思いましたが、これを過ぎるとオープニングから最高の世界が待ってますので、是非映画館に行きなさい!!!!!!

(この原題のセンス秀逸だよなぁ。ミゲルじゃなくてココ。凄い。)

 

 

 

 

 

 

字幕観て、その後吹き替えも見ました。個人的には字幕の方がすきだったかな~と思うんですが、意外にも吹き替え版も良かったですね。

ヘクター役の藤木直人さんと、あと何と言ってもミゲル役の石橋陽彩君!!!この子はめちゃ歌上手い子らしいですね。

ただの子役使ってんのかと思ってましたが、歌声聞いて感動しました、すんません。

とはいえ、物語をすんなり飲み込めるのはどっちかというと吹き替えかなと思います。

 

 

 

 

 

NEXT MOVIE'S HINT )

こっちを先に観てたのに・・・。ワカンダフォーエバー!!!