ゲット・アウト | MOVIE DRIVER(元 ムービーレビューの館 vol.2.0)

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現在公開されている旬の映画を、ただ観てネタバレ含む感想を書くブログです。
3年目に突入しましたが、つたない文章、酷い言葉遣い、サボり癖が目立つので、今年は全世代の人が安心して読めるブログにします。嘘です。

 

『ゲット・アウト』

 

<STAFF>

監督・脚本:ジョーダン・ピール

製作:ジェイソン・ブラム、ショーン・マッキトリック、etc

撮影:トビー・オリバー

美術:ラスティ・スミス

編集:グレゴリー・プロトキン

原題: 『 Get Out 』

 

<CAST>

・ダニエル・カルーヤ(クリス・ワシントン)

・アリソン・ウィリアムズ(ローズ・アーミテージ)

・ブラッドリー・ウィットフォード(ディーン・アーミテージ)

・ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(ジェレミー・アーミテージ)

・・・etc

 

<STORY>

アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待される。過剰なまでの歓迎を受けたクリスは、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えていた。その翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席したクリスは、参加者がなぜか白人ばかりで気が滅入っていた。そんな中、黒人の若者を発見したクリスは思わず彼にカメラを向ける。しかし、フラッシュがたかれたのと同時に若者は鼻から血を流し、態度を急変させて「出て行け!」とクリスに襲いかかってくる。(以上、映画.comより)

 

<TRAILER>

 

 

 

 

「出ていけ!」というタイトルの本作(色んな意味が含まれているような・・・)を、恐る恐る一人で観に行ったんですが、感想を言うと、

「あっさり今年ベスト級がきちゃったなぁ~」

でした。ここから少し詳しく書いていきます。

 

 

ちなみに、今作が気になっている方は、ビックリしてほしいので、予告編もなんならポスターも見ないで観に行くのをオススメします。

※割とガッツリネタバレ入れます。本作を楽しみにしている方は、この先は鑑賞後にご入場くださることをオススメします。

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。ではいきましょう。

 

 

今作は、ホラーというよりはサイコホラーの系統であり、その中にもミステリーやサスペンス要素も入っていたりと、観た人は「これは一体・・・?」となるに違いないと思うんですが、今作の監督を務めたジョーダン・ピール監督は、「ドキュメンタリー映画です。」と自身のTwitterで言っているので、あくまでこの映画は人間だれしも経験がある、「無意識の差別意識」問題を描くために、黒人白人の社会にある深い溝を用いて描いていました。しかし、それだけではなく、劇中で陸上選手やバスケ選手の例を出していたり、白人の親戚たちがやたら主人公クリスの肉体について褒めていることなどから、「白人が黒人に対して実は抱いているある種の憧れ、嫉妬や妬み」についてまで描いていることが、この映画の凄い所です。

 

 

 

 

 

 

 

 

それだけでなく、ちゃんとスリラー要素もきっちり入れてきてるので、全然飽きずに観れる!!!!!物語最初の誘拐シーンから始まり、鹿の衝突、彼女の家族の会話や使用人の不気味な行動や笑顔など、全編に漂う気持ちの悪~~い空気があるので、104分があっと言う間だし、終わった後はかなりの安心感に包まれます。特に使用人の女性ジョージーナを演じるベティ・ガブリエルさん、この人の不気味さが今作の恐怖を最大限に引き出しているのは、間違いないと思います。この人の満面の笑みがトラウマ並みに怖い。。。そんな彼女が後ろを通るだけでビビるし、一人満面の笑顔で部屋にいるとビビるし、「ノーノーノー、ノー」と笑顔に涙で連呼するところなんか、、、、、、、、、、、、、、怖すぎましたm(_ _ )m

ただ、2回目だと「彼女も苦しんでいるんだなぁ」と少し同情しちゃいました。

(この人を大画面で見せるのは反則でしょ・・(゜д゜;))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今作では、2回目観た時にさらに伏線の凄さに驚かされるから、是非2回観てほしい!!!

物語終盤から明らかになるサイコパス家族、この人達の1つ1つの言動がちゃんと伏線になっている!!!!

 

例えば、

・中盤の親戚の集まりでフラッシュを浴びた黒人男性が発する「出ていけ!」➡これは洗脳から解かれた彼がクリスに対して避難勧告をしていた

・ジョージーナが鏡をガンミ➡頭の傷が隠れているかを見ていた

・ウォルターの深夜の爆走➡陸上選手だった祖父が入っていたから

・クリスの彼女であるローズ(アリソン・ウィリアムズ)が、序盤の警官がクリスの身分証の提示に対してやけに拒んでいた➡これはクリスを後々監禁する際、足跡を警察に掴ませないようにする為?

・ローズの家族に会う時と、親戚が来るときの2回、クリスに「覚悟はいい?」と尋ねる➡今後クリスに起こる災いに対しての質問?

・ローズの弟ジェレミーの食事でのヘッドロックのくだりで、「傷はつけてない」という発言➡クリスがオークション道具かつ、脳が重要だから

 

などなど、他にももっと伏線が張り巡らされているはずなので、2回目からはそんな伏線を探してみるのもいいかもしれません!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この映画は、前半~中盤までは、結構正当なサイコホラー映画なんですが、催眠術を掛けられるくだりから、「おや、今まで観たことないぞ・・・」となり、さらに終盤では密室脱出劇になっていく辺り、初見では圧倒されて口アングリでした。そして、ちょこちょこ登場する今作のキーパーソン、ロッド(リルレウ・ハウリー)の今作で唯一安心する下品口調な電話のくだりは、さすがコメディアンのジョーダン・ピール監督というところです。

※ちなみに、ロッドは序盤から性奴隷にされることをズバリ言い当てており、避難警告を早々に送っていたという最強のキャラなんです。

 

 

 

「偏見」というものに少し過敏になってきつつある現代において、こんな鋭い切り口の映画を送りこんできたことに対して、面白いなぁと思いました!!!

こんな時期だからこそこんなにも楽しめたのかもしれないので、是非とも劇場に観に行ってください!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

あと、映画冒頭で、黒人男性が誘拐されるときに流れている、Flanagan and Allenの「Run Rabbit Run」という曲の歌詞が、この先の話を暗示している・・・なんていうのも、二回目観る時に注目して観てほしいポイントです。

(あぁ、あと、ローズは個人的には最悪の悪役としてサノスに匹敵するほどだと思っています。終盤のスポーツに長けた黒人をネットで探すくだりから、ラストの悪あがきまで、最高っっっ!!!!

今年のランキングを作るなら、恐らく悪役部門受賞していいくらいの悪役だと思いました。)

 

 

 

 

 

 

NEXT MOVIE'S HINT )

パイルダーーーーーオーーーーーーーーン!!!!!!!!!!