残像 アンジェイ・ワイダ監督遺作/没後40年 幻の画家 不染鉄展 東京ステーションギャラリー | 映画時光 eigajikou

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世界の色々な国の映画を観るのがライフワーク。
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浜松シネマイーラの会報にイラスト&コラム連載中。
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月曜日の午後、
一週間ぶりに
蒲郡から川崎に帰りました。
火曜日は横浜シネマジャック&ベティで
アンジェイ・ワイダ監督の遺作『残像』
を観ました。
戦後のポーランドで
全体主義国家に抵抗したため弾圧され
不遇の死を遂げた画家の姿を描いた。
現代においても全体主義が人々を覆い始めている今、
過去のことではないという警鐘。
私は、人々の生活のあらゆる面を支配しようと目論む全体主義国家と、
一人の威厳ある人間との闘いを描きたかったのです。
一人の人間がどのように国家機構に抵抗するのか。
表現の自由を得るために、どれだけの対価を払わなければならないのか。
全体主義国家で個人はどのような選択を迫られるのか。
これらは過去の問題と思われていましたが、
今もゆっくりと私たちを苦しめ始めています。
どのような答えを出すべきか、
私たちは既に知っている。
そのことを忘れてはならないのです。」
(ワイダ監督のメッセージの一部。
公式サイトより。)
画家の人となりをヒロイックには描かず、
冷徹な眼差しすら感じた。
画家を目指していたこともあったワイダ監督
色彩設計が見事。
終盤ソフトフォーカスを効果的に使った
印象的な青い花と橇のシーンの美しさ。
現実なのか夢なのかの境界を
あえて曖昧にさせたのであろう。
撮影監督はワイダ監督、
ポランスキー監督との仕事が多い
パヴェル・エデルマン。
無駄のない端正な作りで
素晴らしい映画だった。
今、渋谷アップリンクで
『残像』
『オラファー・エリアソン 
視覚と知覚』
を続けて観られます。
『残像』の主人公ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキと、
オラファー・エリアソンという、
2人のアーティストから共通点のある
視覚、知覚、残像についての
科学的かつ哲学的な理論と解説を聞けますよ。

『残像』観た後は
横浜から東京へ。
東京ステーションギャラリー
没後40年 
幻の画家 不染鉄  
暮らしを愛し、
世界(コスモス)を描いた。
観ました。
「富士山や海といった日本画としては、ありふれた画題を描きながら、不染ならではの画力と何ものにもとらわれない精神によって表現された作品は、他のどの画家の絵とも異なり、鳥瞰図と細密画の要素をあわせ持った独創的な世界を作り上げています。不染は「芸術はすべて心である。芸術修行とは心をみがく事である」とし、潔白な心の持ち主にこそ、美しい絵が描けると信じて、ひたすら己の求める絵に向きあい続けました。」
(東京ステーションギャラリーHPより)
海の中のタコがひょうきんだったなぁ。
面白い絵、静謐な作品、
絵葉書、陶器、着物に描いた作品まで、
多様な種類の作品と
ボリュームのある作品数で
見応えのある展覧会でした。
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実家の手伝いや病院通いで
疲れがたまってきたため
月曜日の夜川崎に帰ってすぐマッサージに行き、
昨日は映画と美術展で息抜きしました。
本当は川崎の自宅で
もっとゆっくりしたかったけど、
今日父が膝の手術のため
一晩自宅で寝ただけで、
また昨日東京駅から新幹線に乗り
蒲郡に来ました。

『残像』の主人公
ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキは
ウッチ・ストゥシェミンスキ美術アカデミーの
創立者の1人で、
アカデミーの名前は彼にちなんで1988年に
改名されました。
2015年ポーランド映画祭の
イエジー・スコリモフスキ監督トークで聞いた
ワイダ監督夜の終りに』の脚本を書いた時、
ウッチ映画大学への入学を
ワイダ監督に勧められた話しや、
今年のEUフィルムデーズ
『ヴォイチェフ』『すべて売り物』
上映イベントで
ポーランドの映画研究家
タデウシュ・ルベルスキ教授のトークで聞いたことも思い出したけど、
(『残像』を制作せずにはいられなかった
ワイダ監督の
全体主義が蔓延しつつある
現代社会への危機感など)
色々と書く気力もなくてすみませんショボーン
『残像』ストゥシェミンスキ教授の
教え子の男子学生たちが男前揃いだったなぁ照れ
という、下らない感想で終わりにします。

映画を観ても、
美術展観ても、
自分の制作態度の情けなさを
思い知らされるばかり…
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ワイダ監督と学生役の
俳優たち

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ストゥシェミンスキ役
ボグスワフ・リンダと
ハンナ役のゾフィア・ヴィフラチュ


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巨大猫トコが
巨大に見えないように
撮った写真