羽仁進監督+今陽子トークショー シネマヴェーラ渋谷『恋の大冒険』『彼女と彼』と最近観た映画の短評 | 映画時光 eigajikou

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今陽子さんと羽仁進監督
 
この1年くらいかな?
あまり名画座に行けてなくて
あかんな〜ショボーンと思いながら過ごしていて
シネマヴェーラ渋谷にも久しぶり。
現在の特集は
「羽仁進レトロスペクティブ
映画を越境する」
 
17日(月)に
『彼女と彼』1963年
『恋の大冒険』1970年
2本立て観て、
羽仁進監督と『恋の大冒険』主演今陽子さん
トークショーを聞いてきました。
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『彼女と彼』1963年
監督:羽仁進
脚本:清水邦夫
撮影:長野重一
美術:今保太郎
音楽:武満徹
編集:土本典昭
出演:
  • 左幸子、岡田英次、山下菊二、
    長谷川明男、五十嵐まりこ、
    堀越節子、市田ひろみ、
    穂積隆信、蜷川幸雄
     
    新興団地に住む主婦が、隣接するバタ屋部落の火事をきっかけに部落の男に引き込まれていく。閉塞する団地生活になじめず境界を越えていく女を演じる左幸子、不穏な雰囲気を増幅させる武満の音楽が素晴らしい。羽仁進の問題意識が見事に結実した傑作であり、発足直後のATGで配給された。◎ベルリン映画祭特別賞・主演女優賞・国際カトリック賞受賞
    (シネマヴェーラHPより)
     
    主人公の主婦役左幸子さんが絶品の演技。
    声高に差別問題を訴えるのでなく
    新興団地の綺麗な日常生活、
    すぐ側にある被差別部落の生活を描き、
    そこを行き来する主人公の
    行動の変化をサスペンスフルに見せる。
    心の奥に沈んで
    忘れられなくなる作品となった。
    川島雄三監督の『しとやかな獣』と並ぶ
    1960年代前半の団地生活を描いた傑作と思う。
    脚本:清水邦夫、音楽:武満徹、
    撮影:長野重一、編集:土本典昭、
    というのもすごいなあ。
     
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    『恋の大冒険』1970年
    監督・脚本:羽仁進
    共同脚本:山田宏一、渡辺武信
    撮影:奥村祐治、つじゆうすけ
    美術:和田誠
    音楽:いずみたく
    • 出演:ピンキーとキラーズ、
      佐良直美、由紀さおり、
      前田武彦、土居まさる、
      大矢茂、左卜全、藤村有弘
       
      人気絶頂だったピンキーとキラーズを主演に、恋を求めて東京にやってきた少女が巻き起こす騒動を描いたミュージカル・コメディ。脚本に山田宏一と渡辺武信が参加し、ゲスト出演も超豪華! 和田誠のイラストを実写と合成するなど実験的手法が光る怪作であり、70年代テイスト満載の傑作エンターテインメント。
      (シネマヴェーラHPより)
       
      これは驚きました。
      和製ミュージカル・コメディ。
      洒落てて、面白くて斬新。
      羽仁監督、いずみたく氏、和田誠氏、
      キャスト、他のスタッフの
      今までにない映画を作りあげるのだという思いが
      結実しています。
      音楽はジャズやポップス。
     
    予算が少なくて
    お金はかけていないそう。
    セットが作れないから
    上野公園の中で歌って踊ったり、
    東京の街中でのシーンがゲリラ撮影。
    上野の橋の上をカバのザブ吉(作り物)歩かせたら、
    本物の上野動物園のカバが逃げ出したと
    勘違いした人が警察に通報してしまった。
    警察が駆けつけた時には
    ザブ吉は車の中に押し込んで片付けてあったので、
    カバが通らなかったか?
    と聞かれても、見てないとシラを切ったそうです。
    多摩動物公園の中をザブ吉が歩くシーンがあり、
    トラが檻の中でソワソワしてる感じがリアルだったのですが、
    トラも本物のカバに見えたらしく、
    本当に興奮してしまった様子が
    カメラに収められていたのでした。
    今陽子さんはこの頃
    平均睡眠1〜2時間だったそうです。
    ガキンチョだった私はピンキーは
    カッコイイ素敵なお姉さんに見えていたのです。
    でも今見ると十代の陽子さんは可愛らしいです。
    今も若々しく声は全然変わらず、
    パワフルなピンキーさんでした。
     
    劇中陽子(役名)が熊倉一雄さん山田康雄さんら
    テアトルエコーの方達とアニメのアテレコをする場面があり、
    カバのキャラクターの声を作ります。
    トークショーでは歌も披露してくれましたが
    カバの声でも歌ってくれました↓
     

     

     

    羽仁監督の映画では子どもたちがとてもいきいきと活躍します。
    本作では子どもたちが可愛い動物が描かれた
    Tシャツを着ているのですが、
    監督が和田誠さんに一晩で描いて欲しいと頼んで
    和田さんが徹夜で描かれたそうです。
    撮影後子どもたちはそのシャツをもらって大喜び。
    監督は僕も1枚欲しかったけど図々しいと思い
    とても言えなくて、
    もしあの時もらっていたら
    すごいお宝になったのになあと笑っていました。
     
    お話はまだまだたくさんあったのですが、
    私が書くのはこのくらいで失礼します。
     
    迷竹(まいたけ)ラーメンの怪しい社長を演じた
    前田武彦さん悪役演技がハマっていました。
    ちゃんと悪者なのに滑稽な可笑しみがあって。
    今年のイタリア映画祭の時
    フランチェスコ・ブルーニ監督、
    ピフ監督、エドアルト・レオ監督が
    トークセッションでコメディ映画を語りましたが
    3人とも映画は泣かせるより笑わせる方が難しい
    と言っていました。
    日本でもかつてはコメディ映画が多く作られていたのに
    上手く継承されていないように感じます。
     
    『恋の大冒険』は東宝映画です。
    DVDは出ていません。
    東宝はなかなか出さないらしいです。
    羽仁監督が交渉に行っても
    あそこは事務仕事してる人ばかりで
    色々回されて結局話が通らないんですよと言っていました。
    東宝は稼いでいるのだから
    昔の映画のDVDも出せばいいのに。
    『戦旗はためく下に』
    も、絶対出すべき。
    クリックで私の記事
     
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    そして恒例の(笑)
    今陽子さんにもらったサインと
    2ショットですウインク
     
    先週〜今週劇場鑑賞した映画でまだ短評書いていない作品

    『草原の河』

    幼い女の子ヤンチェン・ラモの目を通して描く

    現代チベット。

    若い両親と小さな娘

    家族のつつましい生活から

    チベット問題も見えて来る素晴らしい作品。

    1本で書きたいところ。

     

    『パーソナル・ショッパー』

    オリヴィエ・アサイヤス監督の映画では

    女優が輝く。

    『アクトレス~女たちの舞台~』に続き

    クリスティン・スチュワートが素晴らしい演技。

    幽霊が出てくるホラーは

    フランス映画では珍しいです。

    (EUフィルムデーズで観た

    アルノー&ジャン=マリー・ラリユー監督

    『パティとの二十一夜』にも

    幽霊出てきたけど

    怖い幽霊じゃなかった。)

     

    「カリコレ2017」

    『さよなら、ぼくのモンスター』

     

    シリアスな家庭環境の中で

    ゲイなのを隠している主人公が

    自分を受け入れ

    映画の特殊メイキャップアーティストになる

    夢の実現に踏み出すまでを繊細に描いた。

    ステファン・ダン監督の自伝的作品。

     

    「カリコレ2017」

    『ウィンター・ドリーム 氷の黙示録』

    『ブルーバレンタイン』

    共同脚本のジョーイ・カーティスの監督作品、

    配給会社が熱帯美術館なのでチョイスした。

    主演のポール・シドゥは以前は

    アマール・シドゥ名で活動。

    インド系の人じゃないかな。

    インド映画のヒーロー物と

    B級SFの融合狙ったのかな?

    珍品だと思う。キョロキョロ

    午後ロー映画

    (テレビ東京「午後のロードショー」)

    好きな人にはオススメかも。

    一時期のジェリー・ブラッカイマー映画みたいな

    オープニングロールから笑えてしまったんだけど。

    コーエン兄弟みたいにウケ狙いで

    ブラッカイマー風

    やってたのかな?

     

     

    シアター・イメージフォーラム

    「ブラザーズ・クエイの世界」

    『クエイ兄弟とレシュ・ヤンコウスキⅠ』

    クエイ兄弟の名声を確立した『ストリート・オブ・クロコダイル』に続き、ポーランドの作曲家ヤンコウスキと組んだ珠玉作品。
    ・『ストリート・オブ・クロコダイル』(1986年/21分)
    ・『失われた解剖模型のリハーサル』(1988年/14分
    ・『捧げもの』(1989年/1分)
    ・『櫛(眠りの博物館から)』(1990年/17分)
    ・『人為的な透視図鑑、またはアナモルフォーシス(歪像)』(1991年/14分)
    ・『スティル・ナハト3 ーウィーンの森の物語』(1992年/4分)

     

    『21世紀のクエイ兄弟』

    ロンドン科学博物館の医学コレクションを取り上げた『ファントム・ミュージアム』や、アメリカで撮影された近年の作品を上映。
    ・『ソングス・フォー・デッド・チルドレン』(2003年/23分)
    ・『ファントム・ミュージアム』(2003年/12分)
    ・『ワンダーウッド』(2010年/3分)
    ・『涙を流すレンズを通して』(2011年/31分)
    ・『正しい手:F.Hへの捧げもの』(2013年/25分)

    (イメージフォーラムHPより)

     
    松濤美術館で開催中のクエイ兄弟回顧展
    「クエイ兄弟-ファントム・ミュージアム」
    に合わせたイメージフォーラムでの特集上映。
    美術展は昨年神奈川県立近代美術館葉山でやった時
    観に行きました。
    松濤美術館でやるって知らなかったし。
    でも葉山館好きで遠いけどよく行くからからいいんだ(苦笑)
     
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    『ストリート・オブ・クロコダイル』
     
    クエイ兄弟の作品はヤン・シュヴァンクマイエル作品と
    雰囲気似ているものもあるけど
    シュヴァンクマイエルみたいに
    神経引っ掻いてきて疲れるということはない。
    7プログラムあってコンプは難しそうショボーン
     
    昨日はキネカ大森の2本立てで
    『ハードコア』『ナイスガイズ!』
    『ハードコア』は封切りで観ていて2回目だけど
    『ナイスガイズ!』を観たかったから。
     
ライアン・ゴズリングの役は
『ブルーバレンタイン』くらいの
ヤサグレ感でもいいなと思うけど
それだとラッセル・クロウと被っちゃうか。
皮肉も効いてて面白かった。
ラッセルこんなにでかくなってて
いいのか?
トムちんより2歳若いのに
貫禄付けすぎガーン
 
 
今回はこーゆーの期待してなかったし。
と言ったらウソになる
マット・ボマーキョロキョロ
 
懐かしい『グラディエーター』(2000年)
ホアキンとラッセル
若いね
 
実生活では妻のエヴァ・メンデス、
娘のエスメラルダちゃん、アマダちゃんを
大切にしているパパライアン