「相米慎二を育てた男 プロデューサー伊地智啓の仕事」光る女、反逆のメロディー、太陽を盗んだ男他 | 映画時光 eigajikou

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「相米慎二を育てた男 プロデューサー伊地智啓の仕事」
シネマヴェーラ渋谷
『光る女』
『反逆のメロディー』
『太陽を盗んだ男』
『最も危険な遊戯』
『お引越し』
『夏の庭 The Friendos』












5月に観た映画の中で、
「相米慎二を育てた男 プロデューサー伊地智啓の仕事」
シネマヴェーラ渋谷の2本立てで観た作品を
簡単に書いておきます。
もっと観たかったけど今回は6本。
初めて観たのは『光る女』『反逆のメロディー』
見直した作品も20年以上経っているから
懐かしかったです。

まず、相米慎二作品から。
初見の『光る女』と、
見直した『お引越し』『夏の庭』











↓『光る女』予告動画



『光る女』1987年

製作:ヤングシネマ‘85共同事業体、大映、
ディレクターズ・カンパニー
監督:相米慎二
製作:
羽佐間重彰
大川功
矢内廣
山本洋
入江雄三
宮坂進
プロデューサー:
伊地智啓
山本勉
原作:小桧山博
脚本:田中陽造
撮影:長沼六男
美術:小山富美夫
音楽:三枝成章
出演:
武藤敬司
秋吉満ちる
すまけい
安田成美
出門英
中原ひとみ
児玉茂
レオナルド熊

北海道の田舎から、
東京へ出て行った幼馴染みの安田成美を探しに来た
武藤敬司選手(この頃新日本プロレス)
が夢の島!?のごみ山で、
怪しい男すまけいと
オペラ歌手秋吉満ちるに出会う。
すまけいが経営する変な秘密クラブで
デスマッチに出場することに...

これはとてもヘンな映画でした。
珍品って感じです。
ロマンポルノっぽい所もあって、
秋吉満ちるさんはしっかり脱いで濡れ場もある。
ロマンポルノ+ファンタジー+プロレス+オペラ!
ってわけ分かんないヘンな雰囲気が、
妙に印象に残ります。
フェリーニの『カサノバ』連想したのだけど。


次は、子どもものの傑作『お引越し』と『夏の庭』
2作とも原作も映画も大好きなので観直しました。







↓『お引越し』予告動画




『お引越し』1993年

製作:讀賣テレビ放送
監督:相米慎二
製作:伊地智啓
安田匡裕
原作:ひこ・田中
脚本:奥寺佐渡子
小比木聡
撮影:栗田豊通
美術:下石坂成典
音楽:三枝成彰
出演:
田畑智子
中井貴一
桜田淳子
須藤真里子
田中太郎
茂山逸平
笑福亭鶴瓶

離婚を前提に別居を始めた両親の仲を
取り持とうとする11歳のレンコ。

これは相米監督最高傑作とも言われている、
素晴らしい作品です。
デビュー作とは思えない演技力と存在感のある
田畑智子は、やはり今観ても輝いています。
後半の琵琶湖の火祭りと、
夜の森を彷徨うシーン、
明け方の幻想的な琵琶湖のシーンは、
圧倒的に美しくて涙が出る。
公開当時20代で観た時はレンコ目線で観ました。
その後生まれた自分の娘は、
もうレンコよりずっと大きいのに、
今回観たらやはりレンコ目線で観てた(苦笑)

私は当時、中井貴一はこの作品まで
イマイチ苦手でしたが、
『お引越し』でのへたれ父ぶりが良くて、
お父さん(佐田啓二)のように
芸風広げて欲しいと思いました。
桜田淳子も良いんです。
彼女もこれから楽しみだなと
思ったのですけどね...残念です。
鶴瓶は『夏の庭』にも出てるけど、
この頃な感じが丁度いいよね!?
同じひこ田中の児童文学『ごめん』は、
相米慎二監督の弟子富樫森監督が2002年に映画化。
『ごめん』も秀作です。

ごめん [DVD]/
久野雅弘,櫻谷由貴花,三田篤子



お引越し (福音館創作童話シリーズ)/ひこ 田中



ごめん (福音館創作童話シリーズ)/ひこ 田中








↓『夏の庭』動画



『夏の庭 The Friendos』1994年

製作:讀賣テレビ放送
監督:相米慎二
製作:伊地智啓
安田匡裕
原作:湯本香樹実
脚本:田中陽造
撮影:篠田昇
美術:部谷京子
音楽:セルジオ・アサド
出演:
三國連太郎
坂田直樹
王泰貴
牧野憲一
戸田菜穂
根本りつ子
笑福亭鶴瓶
寺田農
柄本明
矢崎滋
淡島千景

小学6年生のサッカー少年の木山諄、河辺、山下の3人は、
人の死に興味を持ち、
近所に住む変わり者の老人・傳法(でんぽう)喜八
(三國連太郎)が、
もうすぐ死ぬのではないかと見張りを始める。

この作品も原作が素晴らしい小説ですが、
映画も良いですね。
脚本家だった湯本さんに
『夏の庭』の小説執筆を勧めたのは相米監督。
子どもたちの生き生きした姿、
三國さんの頑固で変わり者な老人役は流石!
傳法喜八のひととなりの背景に説得力があります。

夏の庭―The Friends (新潮文庫)/
湯本 香樹実




日本版『スタンド・バイ・ミー』と言われたりしますが、
私はこの2本は比べたりしませんよ!

湯本香樹実原作の映画化作品
5月のカンヌ映画祭で黒沢清監督が
ある視点部門で監督賞を受賞した『岸辺の旅』
出演:浅野忠信、深津絵里
10月1日公開。



↓『岸辺の旅』予告動画


岸辺の旅 (文春文庫)/湯本 香樹実


それから、私が一番好きな湯本作品
『ポプラの秋』も映画化でこちらも秋公開。
大森研一監督
出演:本田望結、中村玉緒
これは原作が本当に好きなので、
正直なところちょっと心配だったりします(;´▽`A``

ポプラの秋 (新潮文庫)/
湯本 香樹実



「相米慎二を育てた男 プロデューサー伊地智啓の仕事」
に戻ります。あと3本は思い入れが深い方が
たくさんいらっしゃるでしょう。
長くならないよう簡単にします。





『反逆のメロディー』1970年

製作:日活
監督:澤田幸弘
脚本:佐治乾
蘇武路夫
企画:水の江瀧子
佐々木志郎
撮影:山崎善弘
美術:千葉和彦
音楽:玉木宏
出演:
原田芳雄
佐藤蛾次郎
地井武男
藤竜也
梶芽衣子
冨士眞奈美
須賀不二男
深江章喜
梅野泰靖
曽根晴美
永山一夫
青木義朗

自分の所属していた関西の淡野組が解散したので、
哲(原田芳雄)は腹違いの兄が組長の立花組が仕切る
関東のK市にやってきた。
ジーンズの上下を着た原田さんが、
新世代のアウトローなヤクザで暴れるアクション映画。
原田さん、地井さん、藤さん、梶さんの4人が
並んでなんとカッコいいこと!
佐藤蛾次郎さんも大活躍。
30歳のカッコイイ原田さんにシビレマス(〃∇〃)




↓『最も危険な遊戯』予告動画


『最も危険な遊戯』1978年

製作:東映セントラルフィルム
監督:村川透
脚本:永原秀一
企画:黒澤満
伊地智啓
制作補:石川好広
撮影:仙元誠三
美術:小林正義
音楽:大野雄二
録音:林鉱一
照明:渡辺三雄
編集:田中修
助監督:崔洋一
出演:
松田優作
田坂圭子
荒木一郎
内田朝雄
草野大悟
見明凡太朗
市地洋子
名和宏
入江正徳
片桐竜次
山西道広
榎木兵衛
石橋蓮司
苅谷俊介
大前均
阿藤快
団巌
原田力
岡本麗
柴田恭平
内田裕也

財界人連続誘拐事件の裏にある陰謀に
巻き込まれるヒットマン鳴海昌平(松田優作)
遊戯シリーズの第一弾。
冒頭から石橋蓮司、榎木兵衛、内田裕也と濃~いメンツで
(柴田恭平もサングラスかけた男で出てた)
麻雀する優作さん。
夜のシーンや暗いシーンが多く
良く見えなかったりしたので2回見てしまいました。
優作さんの鍛えた肉体カッコ良過ぎ!
「草刈正雄」ギャグなど笑わせてくれます。






↓『太陽を盗んだ男』予告動画


『太陽を盗んだ男』1979年

製作:キティ・フィルム
監督:長谷川和彦
脚本:レナード・シュレイダー
長谷川和彦
原案:レナード・シュレイダー
製作:山本又一朗
プロデューサー:伊地智啓
撮影:鈴木達夫
美術:横尾嘉良
音楽:井上尭之
音楽プロデューサー:多賀英典
録音:紅谷愃一
照明:熊谷秀夫
編集:鈴木晄
助監督:相米慎二

出演:
沢田研二
菅原文太
池上季実子
北村和夫
神山繁
佐藤慶
伊藤雄之助
風間杜夫
水谷豊
西田敏行
小松方正
汐路章
森大河
江角英明

中学の仕事やる気なさ気な理科教師ジュリーは、
東海村の原子力発電所からプルトニウムを盗んで
原子爆弾を1人で製造。
「野球のナイター中継を最後まで放送しろ」
「ローリングストーンズの来日公演をさせろ」
(当時麻薬問題で入国許可が下りなかった)
警察庁に脅迫電話をかける。
対決する山下警部に文太さん。

前にも書きましたが、
体調悪かったので、
健さん、文太さん追悼上映企画には
ひとつも行けず、
今回やっと『太陽を盗んだ男』で文太さん追悼。
この映画は熱気とパワーが溢れていて、
アクションも派手だし、
本当にスクリーン映えする作品ですね。

シネマヴェーラ渋谷の展示です。
ロマンポルノの「審査通知」が面白いです。
・全裸でからみ合う男・女
(一部着衣にするとか、しゃへい物を置くとか、
工夫して下さい)
・全裸抱擁
(工夫して下さい)
などと書いてありますよ。
興味のある方は拡大して読んでみてください(笑)

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『翔んだカップル』の出写費の一覧表。
これも細かくて良く見ると面白いです。


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『かしこい狗は、吠えずに笑う』


400表


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