さよなら歌舞伎町感想 ヌードも濡れ場も体当たりなイ・ウンウが光る。染谷将太、南果歩、河井青葉好演 | 映画時光 eigajikou

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さよなら歌舞伎町
2014年製作 日本映画
TOHOシネマズ川崎で鑑賞

浜松シネマイーラでは
3月14日(土)~3月27日(金)上映











イ・ウンウ(イ・ウヌ)が光る!
染谷将太、南果歩、河井青葉が好演
あっちゃんは出番少なし。
ヘイト・スピーチや
東日本大震災被災者の現実など
社会問題も挿みつつ
ちょっとほっこりな群像劇。


廣木隆一監督久しぶりの
「普通」の映画。
見て損はないけど、
もう少し短くまとめて欲しかった。
残念ながら
ロバート・アルトマンとはいきません。



*注意!
この作品は上映時間長いからか(135分)
トイレに行っている人が数人(男性)いました。
エンドロール始まったからと
席を立たない方が良いですよ。


監督:廣木隆一
脚本:荒井晴彦、中野太
音楽:つじあやの

出演:染谷将太
前田敦子
イ・ウンウ(イ・ウヌ)
ロイ
樋井明日香
我妻三輪子
忍成修吾
大森南朋
田口トモロヲ
村上淳
河井青葉
宮崎吐夢
松重豊
南果歩


一流ホテルのフロントマンになることが夢の
徹(染谷将太)は、
志望したお台場の高級ホテルグランパシフィックには
就職できず、
ミュージシャン志望の彼女沙耶(前田敦子)
にも嘘をついて歌舞伎町のラブホテルで
雇われ店長として働いている。
自分はこんな所にいる人間じゃないと
くすぶりながら...


グランドホテル方式ならぬ
グランドラブホテル映画ということで、
染谷君が店長のラブホテルに出入りする
訳ありな人たちがある1日の時間の流れの中で
描かれています。

デリヘル嬢イ・ヘナ役のイ・ウンウ(イ・ウヌ)、
不倫中の仕事中毒な刑事役の河井青葉、
染谷くんの妹でAV女優役の樋井明日香は、
ちゃんと脱いで仕事してます。

『私の男』でもまっとうな濡れ場担当だった河井青葉さんは、
本作でもきっちり体を張った濡れ場担当。
夫も娘もいる叩き上げの女刑事を好演しています。

南果歩は松重豊と訳あって犯してしまった
事件の時効を待ちながら、
ラブホテルで働く鈴木さん役。
ちょっとオーバーアクト気味に、
コミカルな演技を見せています。
実際にラブホテルの掃除を見学に行って、
女性従業員に教えてもらったという
お風呂の掃除場面は見事です。

女優の中で一番光っていたのはイ・ウンウ(イ・ウヌ)です。
キム・ギドク監督の『メビウス』で、
狂気の母親と夫の不倫相手を1人2役で演じた彼女、
私は『メビウス』見れてないのですが、
『さよなら歌舞伎町』では『メビウス』の2役とは
また全然違った演技のはず。
素晴らしいキャラクター造形をしています。
韓国料理店で働く恋人アン・チョンス(ロイ)には
ホステスをしていると嘘をついて、
田口トモロヲが店長の「ジューシー・フルーツ」
というデリヘルでイリアという人気デリヘル嬢をしています。
(ジューシーフルーツのボーカルの名。懐かしい!)
韓国に帰ってソウルのトレンドスポット、カロスキルで
母親とブティックを開くための資金を貯めて、
帰国しようとしています。
女の私でも惚れてしまうがな~(*゚.゚)ゞ
って、イノセントな雰囲気の優しくて可愛らしい女性です。
男性は彼女にグッとくる人多いと思いますよ。
今回共同脚本の荒井晴彦、中野太の2人の
やはり共同脚本の作品
『戦争と一人の女』では、
連続レイプ殺人犯を演じていた村上淳が
彼女にマジ惚れしてしまう純情な客の役。
からみ場面ではまた体を張っています。

戦争と一人の女 感想 
江口のりこ、永瀬正敏、村上淳、柄本明が
坂口安吾世界で勝負!インディー魂炸裂
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菊池凜子ちゃんと新婚ホヤホヤの染谷くんも好演です。
東北大震災の被災者でもある徹は、
夢の一流ホテルマンの世界から遠く離れた
歌舞伎町のラブホ店長でくすぶりながら、
自分はこんな所にいる人間ではないという
プライドを持て余しています。
複雑に屈折した青年を上手く造形しています。

あと、河井青葉の不倫相手の宮崎吐夢もイイ味出してます。
田口トモロヲ、松重豊、大森南朋など、
脇も監督の過去作出演俳優たちが締めていますよ。
イ・ウンウ(イ・ウヌ)の恋人役のロイは、
日本で活動するKPOPグループ5tion(オーション)の
メンバーだそうです。
他のメンバーも出ていたのですが、
韓国料理店の店員かな?
ファンでないと分からないかも。
ロイも訳ありくんが良かったですよ。

で...
チラシにも大きく出ている
染谷くんの彼女役の前田敦子は
出番は想像以上に少なかったです。
彼女は出演した作品の監督たちから
とても褒められていますね。
私は彼女の魅力がイマイチよく分かっていないです。
会ったら可愛くて魅力的な子なのだろうけど。
あっちゃん出演の映画は映画初出演だった
『あしたの私のつくり方』(2007年市川準監督)
と、
『苦役列車』(2012年山下敦弘監督)
『もらとりあむタマ子』(2013年山下敦弘監督)
だけ観ています。

警告!お父さんたちへ 前田敦子主演
もらとりあむタマ子 感想
あっちゃんがかわいいからといっても
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『さよなら歌舞伎町』はあっちゃんが出演しなければ、
制作できなかったのかしらんと思ったりしたけど、
そうではないようです。
でも、ホント、出番少ないので、
あっちゃん目当てで観に行くファンは
ちょっとがっかりなんじゃないかな。
あっちゃんの見所は初挑戦だという、
アコースティックギターでの弾き語りですかね。
当初の脚本では沙耶役は
ヌードシーンもあったようですが、
彼女がやることになり削除されたそうです。
あっちゃんが演じる必然性は感じませんでした。
若い人にも観てもらいたいというキャスティングでしょうけど。
人気モデルの我妻三輪子の起用もその流れかなあ。
でも、私が観に行った時は、
30代以上の男性客が8割くらいで、
若い男性客、女性客はあまりいなかったです。
(その前日に観た
タチャ 神の手』は逆に殆どが女性で、
男性客は数人でした。)

ロバート・アルトマンの群像劇を
目指したみたいですが、
間延びしていた感がぬぐえないです。
上映時間が長すぎ。
もっとコンパクトにテンポよく
まとめて欲しかったです。
デリヘル嬢ハンターの忍成修吾と、
家出娘の我妻三輪子のカップルの話は
いらなかったのではと思います。

近年廣木監督は
お涙ちょうだい系作品が多かったので、
今作は期待していました。
監督はピンク映画出身で、
荒井さんもにっかつロマンポルノの脚本手掛けてたから、
もっとエロくて
人間描写もへヴィーな深みがあるかと思ったけど、
基本的に明るく爽やかなトーンでまとめてありました。
R15だし裸や濡れ場はあるけどエロさはないです。




廣木監督得意の自転車シーン。
重要なアイテムになります。
私の自転車に似てておっ!?と思いました(どうでもいい話)




予告にもあるけど、
あっちゃんが染谷君に「ねえ、しよ!」と
迫るシーン。
染谷君がホントにしたく無さ気に見えたョ(笑)





ひっそりと隠れ暮らす
南果歩と松重豊のカップル。
生活感出てました。




辻仁成(なんか)と別れて、
渡辺謙と結婚して良かったね。
ということが、
ダブっちゃたりしましたョ




この画像の場面は違うけど、
ダイナミックかつ合理的なお風呂掃除はスゴイ技です。
かかとのガビガビ感はメイク?
リアルでした。




AVの撮影隊が来たらなんと女優が
保育士を目指して専門学校に通って、
学費を稼ぐためにAV女優のバイトしている妹だった。(´д`lll)
これ、東日本大震災の後、
廣木監督が聞いた実話だそう。




大森南朋はあっちゃんが枕営業する
レコード会社プロデューサーのいけすかない男。




叩き上げの刑事河井青葉と
キャリア組の宮崎吐夢の不倫カップル。
2人ともイイ味出してました。




我妻三輪子と忍成修吾のカップルは、
なくても良かった感が。
忍成修吾が受けるリンチは
『アウトレイジ ビヨンド』で加瀬亮がやられた
ゴルフ版だよね!?




イ・ウンウ(イ・ウヌ)とムラジュン




惚れてまうがな~な
ヘナ役のイ・ウンウ(イ・ウヌ)



『メビウス』では1人2役




『メビウス』が非コンペ部門で上映された
2013年の第70回ヴェネチア映画祭で。



『メビウス』の息子役ソ・ヨンジュ、
キム・ギドク監督と。




恋人アン・チョンス役のロイ。
下の写真が5tionで真ん中がロイです。





なんか態度曖昧なレビューになりました...
見て損はなかったとは思うけど、
私的には期待した程の完成度は感じられませんでした。
新宿には時々映画を観に行っていたけど、
歌舞伎町には行っていません。
再開発中だナと分かるシーンもあるし、
歌舞伎町に親しみのある方は
感慨深さもあるのではないでしょうか。

私は抗がん剤治療中で、
副作用が収まって
映画を観に行く体力がある期間が限られているから、
もっと作品に充実感を望んじゃうんですよ。
日本映画の新作を観たのは、
何と昨年9月の山本政志監督『水の声を聞く』以来でした。
ムラジュンは今回と全く違った役で
やり手でいけすかない電通マンを好演でした。
廣木監督は忙しくてスケジュールが空いておらず、
『さよなら歌舞伎町』は2013年の12月に
12日間で撮ったそうです。
この作品が1月24日公開で、
2月14日『娚の一生』
3月14日『ストロボ・エッジ』
が公開です。
3ヶ月連続で新作公開とは(+_+)
仕事がない監督がいっぱいいるのに凄いですね。
私は後の新作は観ないです(苦笑)

『さよなら歌舞伎町』観て、
『ストロベリーショートケイクス』(2006年矢崎仁司)
思い出しました。
私は『ストロベリーショートケイクス』の方が好き。
ストロベリーショートケイクス [DVD]/
池脇千鶴,中越典子,中村優子








30日にまた抗がん剤治療なのです。
最近気分が落ち込んでいたので、
行ける時には映画に行って気晴らしだい!
と、今週は昨日までに4本観ました。
今日も1~2本観る予定です。









『かしこい狗は、吠えずに笑う』



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