キャプテン・フィリップス 感想/トム・ハンクス演技せず成功ポール・グリーングラス監督リアル節快調 | 映画時光 eigajikou

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世界の色々な国の映画を観るのがライフワーク。
がんサバイバー。
浜松シネマイーラの会報にイラスト&コラム連載中。
今は主にTwitterとFilmarksに投稿しています(eigajikou)

『キャプテン・フィリップス』
Captain Phillips
TOHOシネマズ浜松で鑑賞
アメリカ映画 2013年製作

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↓予告動画


監督:ポール・グリーングラス

キャスト:

トム・ハンクス     リチャード・フィリップス
キャサリン・キーナー  アンドレア・フィリップス
バーカッド・アブディ  ムセ
バーカッド・アブディラマン ビラル
ファイサル・アメッド  ナジェ
マハト・M・アリ     エルミ
マイケル・チャーナス シェーン・マーフィー
コーリイ・ジョンソン ケン・クイン
マックス・マーティーニ SEAL部隊長
クリス・マルケイ ジョン・クローナン
ユル・バスケス フランク・カステラーノ艦長
デビッド・ウォーショフスキー マイク・ペリー

2009年にソマリア海域で起こった
海賊船による貨物船人質事件を、トム・ハンクス主演、
「ボーン・アルティメイタム」「ユナイテッド93」の
ポール・グリーングラス監督で映画化したサスペンスドラマ。
09年4月、援助物資として5000トン以上の食糧を積み、
ケニアに向かって航行していたコンテナ船マースク・アラバマ号は、
ソマリア海域で海賊に襲われ、瞬く間に占拠されてしまう。
53歳のベテラン船長リチャード・フィリップスは、
20人の乗組員を解放することと引き換えに自ら拘束され、
たった1人でソマリア人の海賊と命がけの駆け引きを始める。
米海軍特殊部隊の救出作戦とともに、緊迫した4日間を描く。
脚本は「ニュースの天才」「アメリカを売った男」のビリー・レイ。
(映画.COMより)

『キャプテン・フィリップス』は、
他に2014年のアカデミー賞の作品賞のノミネート予想に入れました。
監督賞にポール・グリーングラス監督
主演男優賞にトム・ハンクス
助演男優賞にバーカッド・アブディ
が、ノミネートされるでしょう。とも予想しました。
編集も素晴らしかったので、
クリストファー・ラウズが編集賞にもノミネートされるでしょう。
(ポール・グリーングラス監督の『ボーン・アルティメイタム』で受賞、
『ユナイッテド93』でノミネートされています。)
でも、編集賞は分かりませんが他の賞はノミネート止まりだと思います。

『キャプテン・フィリップス』は、
トム・ハンクスが演技を消して成功している
『ユナイテッド93』テイストの
とても良くできた実録映画


実話ものなので作品全般について語ります。
ネタバレ記事的には書いていないつもりですが、
何も知りたくない方は鑑賞後にまた来て下さいね。

この映画は海外でも日本の試写会でも高評価です。
評判どおりよくできていました。
よく知られた結末が分かった事件であるからこそ、
いかにリアリティーのある緊迫感を表現するか、
監督の腕の見せ所。
トム・ハンクスは本人の気配を消して、
演技してる感を出さない演出が成功していると思いました。
海賊を演じた人たちはアメリカのソマリア人移民を
オーディションし、演技やスタントの訓練をしています。
演技未経験の彼らからギラギラしたこの迫力を導き出したのは
大した手腕だと思います。
最後の方の海軍のクルーや軍医の女性などは、
本物の軍人たちがやっています。
リーダー役のバーカッド・アブディは、
演技初体験とは思えない素晴らしい演技です、
助演男優賞ノミネート予想は当たると思います。
映像は手持ちカメラや固定カメラを使い分け、
ドキュメンタリータッチで細かいカットを重ねて、
見事な撮影と編集で臨場感、緊迫感を出しています。

細かいディティールもしっかり描かれていたし、
アメリカ万歳な勧善懲悪ものではありません。
海賊たちがなぜ、海賊をしなければならないのか、
彼らを海賊行為に追いやっているソマリアの窮状も語られるし、
海賊組織の中の、こんな最末端の若者4人組でも、
アメリカ人を誘拐したら、
大統領命令で駆逐艦も、ネイビーシールズまで投入されて、
征伐されちゃう現実を、まざまざと見せて、
皮肉にもなっているかなという感じでした。
私は「バランスが取れている」という事を、
作品の評価点にはしませんが、
批評的に映画をご覧になる方には、
「バランスが取れている」ということが
大きな評価点になるようですから、
きっとこの作品はそういう方にも高評価でしょう。
普通にエンタメ作品として観る映画ファンにも、
見応えのある作品として楽しめると思います。
絶賛されるんじゃないかなあ。

で、私としてはどうだったかというと、
本当に良くできた作品だと思います。
「良くできました合格」という印象。
見応えありますよ!とおススメできる作品ですが、
自分としては特別好きな作品ではありません。
ポール・グリーングラス監督の
実録ものとしては『ユナイテッド93』の方が好きです。
ユナイテッド93 [DVD]/
シェエン・ジャクソン,ジョン・ロスマン,クリスチャン・クレメンソン


私は『アルゴ』も作品が背負うプロパガンダ性を無邪気に許して
エンタメ作品として楽しむことができませんでした。
『キャプテン・フィリップス』は、
上手いこと各方面に気を配り、
敵を作ることを回避していますね。
『ゼロ・ダーク・サーティー』のように世論の地雷を踏まないように...
そして、『アルゴ』より実録性は高めて、
国際政治的には軋轢があまり大きくない問題を選びました。
ポール・グリーングラス監督の手腕は十分に活かされた作品です。
007シリーズまで変化せざるをえなくなった影響を与えた、
ボーン・シリーズの2作『ボーン・スプレマシー』
『ボーン・アルティメイタム』で
畳みかけるような展開のアクション映画の新機軸を作り、
元ドキュメンタリー映像作家としての
ジャーナリスティックな視線を活かした実話もの『ブラディ・サンデー』
『ユナイテッド93』で緊迫感、臨場感のある作品を作りました。
『グリーン・ゾーン』で失速してしまった緊迫感を、
今回は絶やさず描き切りました。
スゴク好きな作品です!という言い方はできないのですが、
ホントに見応えありましたし、
映画館で観る価値が充分にある作品ですから、
ぜひ映画館で楽しんでくださいネ。

トム・ハンクスはこの作品で主演男優賞、
『ウォルト・ディズニーの約束』で、
助演男優賞にもと、Wノミネートが予想されます。
でも、両方とも受賞はなさそうです。
今回は下手に芝居をせずに状況の中で動いて
「トム・ハンクス」気配を消すことに成功して、
存在感があまり鼻に付きません。
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この人たちのリアリティーはスゴイです↓
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↑左が映画のバーカッド・アブディで、
右が本物のムセ。よく似ています。


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↑本物のムセ


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↑ムセを演じたバーカッド・アブディ


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本物のリチャード・フィリップスと家族↓
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オバマ大統領と会談↓
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↓本物のフィリップス氏とトム・ハンクスは、顔より声が似ていて驚きました。




キャプテンの責務 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)/
リチャード フィリップス


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25歳衝撃の才能ビックリマーク
渡部亮平監督応援していますビックリマーク
ぜひ、お近くの映画館にリクエストして下さいビックリマーク

フォルツア総曲輪(富山)


12月21日(土)~27日(金)


東京 下高井戸シネマ
12月23日(月)~28日(土)レイトショー上映

21:10~22:48

一般1300円 / 大学・専門1100円
高校生・シニア・火曜日みなさま1000円
会員900円


松山 シネマルナティック

2014年1月3日(金)~10日(金)




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