
「彼らに、戦わせろ。」
『モンスターズ/地球外生命体』のギャレス・エドワーズ監督によるアメリカのSF怪獣映画であり、 日本の同名映画キャラクターに基づいたリブート作品。
1999年、日本。
原子力発電所で働く男は、突如として発生した異様な振動に危険を感じて運転停止を決意。
だが、振動は激しさを増して発電所は崩壊し、一緒に働いていた妻を亡くしてしまう。
それから15年後、アメリカ軍爆発物処理班の隊員である彼の息子は日本で暮らす父を訪ねる。
そして原発崩壊事故の原因を調べようと侵入禁止区域に足を踏み入れた二人は、そこで思いも寄らぬ光景を目にする・・・。
『モンスターズ』『宇宙戦争』『クローバーフィールド』の様に終始「一般市民の目線」で進行するために、臨場感と恐怖がとてもリアルで面白い。
ハリウッド一作目のエメリッヒ版ゴジラ襲来ショットにも同じような視点が何ヶ所かあり素晴らしい場面の数々だったが、本作はそれが全編で徹底されている。
『トランスフォーマー』シリーズの様に、軍隊の対応や一般市民の言動やテレビの映像など「もしも現実にゴジラが現れたら・・・」という状況が完全にシミュレーションされている。
これは昨今のパニック映画のトレンドを突き詰めた素晴らしい結果なのだろう。
しかも同時に元祖「ゴジラ」や日本のポップカルチャーへのリスペクトも盛り込んでいて抜かりは無い。
「リアルさ」を丁寧に構築しているからこそゴジラが初めて我々の前に姿を現し「ゴジラらしく」全力で吠える場面はカタルシスがピークに達するのだろう。
それを踏まえると、ハリウッド映画でお馴染みの「ちょっと可笑しな日本描写」も何だか許せてしまうし、もしかすると「あえてのB級感」「あえてのモンスター映画感」を狙った確信犯なのかもとさえ思えてくる。
『スーパーマン』の様に「神的な存在」として立ちはだかる巨大な存在を前に「手も足も出ない」人類。
我々に明日はあるのか・・・。
「We call him…GODZILLA」