
「確かに、人を生かす剣というのは甘っちょろい戯れ言でござるよ。剣は凶器、剣術は殺人術、それが真実。だが拙者は、そんな真実よりも薫殿の言う戯れ言のほうが好きでござるよ。」
かつて「人斬り」として恐れられ、今は人殺しという「罪」を頬に刻んだまま真っ当に生きる一人の流浪人。
しかし、死神がその誓いを試すかの様に、罪深き彼の運命には数々の「試練」が待ち受ける。
「光と影」「善と悪」「天使と悪魔」という究極の二面性を心に秘めている彼は、苦難の運命を受け入れ次々と人々を救い、多くの出逢いを繰り返す旅路の中で、ある日「審判の日」を迎える。
どんな理由があっても「人殺し」を封じた主人公は、周りから「矛盾」を笑われ挑発され「綺麗事」だと皮肉られる。
だが彼は「憎しみの連鎖」を止め、新たな連鎖を生まない為に、その綺麗事「不殺」を貫き通し大切な一人の女性を救う。
「薫殿を守るため、俺は今一度人斬りに戻る。死ね。」
人生にはいくつもの分岐点があり、時に「多くの人が通って歩きやすくなった堅実な道」と「まだ誰も通っていない荒れた険しい道」の分かれ道を選択しなければならない場合もある。
誰に馬鹿にされても自分を信じ、前人未到の困難な道を寡黙に突き進む主人公の姿は正に真のヒーローだ。
そのイバラの道の先には「憎しみの連鎖」を断ち切る「綺麗事」という名の正義がある。
これは現在進行系で起こっている世界の「報復テロ」の負の連鎖を止める道にも繋がっている。
本作は、数え切れない程にある「時代劇」というジャンルの遥か先を行く、洗練され緊張感に満ちた「殺陣」の数々と、時代を超えた普遍のメッセージが潜んでいる。
その全ての象徴であり、あらゆる想いが集約された「十字架」の様に神々しい輝きを放つ「逆刃刀」は、いつも人々の「邪心」を静かに見つめている・・・。
「剣心やめて。人斬りに戻らないで、だめ殺したら、殺しちゃだめ。あなたが殺してしまった人のために、あなたが今まで助けた人のために、人を斬らなくても誰か助ける事はできる。それが、あなたが、剣心が目指した新しい世の中でしょ。」
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