「スケッチを使ってジョン・ラセターとエド・キャットマルにプレゼンしたら、2人ともすぐに気に入ってくれたの。その場ですぐにゴーサインが出るなんて前代未聞だから驚いたわ!」
『アナと雪の女王』の同時上映作品として劇場公開された「ミッキーマウス」シリーズとしては18年ぶり第125作目の3Dアニメーション短編映画作品。
これは3D映画の革命であり映画館がアトラクションになる奇跡の6分間である。
「ミッキーマウスを現代の観客に再び紹介する」というアイデアをコンセプトに「ミッキーマウス」シリーズの第1作『蒸気船ウィリー』を思わせる1920年代風のクラシックなモノクロ映像と、最先端の映像技術を駆使した3D映像が融合する。
ディズニーランドやユニバーサルスタジオのライドに匹敵する3D演出のバリエーションの数々は、とても多くの「目からウロコ」のアイデアで溢れている。
それは今まで観た3D映画の全てを超えた驚きと感動だと言っても過言ではない。
初期のミッキーの声をがウォルト・ディズニー自らが務めていたというのは今では伝説だが、本作の製作総指揮を担当している『トイ・ストーリー』のジョン・ラセターの「全部ウォルトの声にしよう」という指示によって、音声アーカイブからウォルト・ディズニー本人の声を一音一音抽出しミッキーマウスの声を創造したそうだ。
手袋をしていないミッキー、ミニー、クララベル・カウらが荷馬車に乗っているモノクロ画面で始まり、後半にかけて想像を絶する展開になる本作は「映画本来のマジック」をも思い出させてくれる。
「映画館」という暗闇で大勢の人と共有するドキドキ感や驚きの原体験。
「いったいどうなっているの?」という手品の様なビジュアルの不思議さなどの「映画の神秘」が現代に蘇る。
そんな幼き頃だれもが体験した胸の高鳴りと再会できる。
本作の6分間に詰まったドキドキやワクワクや秘密のアイデアはどれも驚くべきものだし、この特別な驚きは何も知らずに体験した方が良い。
そうすれば、映画が誕生した約100年前の観客と同じように目を輝かせたまま銀幕に釘付けになるだろう。
映画は「夢」である。
「昔から大人になる以前のミッキーがお気に入りだったの。1920年代後半のミッキーは、体は小さいし負け犬ならぬ負けネズミという雰囲気だけど。だって、まだ手袋もしていないのよ!当時の作品は行き当たりばったり感もあるけど、現実世界の物理的法則に捉われない創造性あふれるジョークが満載で本当に素晴らしい。だからこの時代のミッキーをお手本にしたの。」
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