
「神様、もう少しだけ一緒にいさせて・・・。」
「ある漫画家」の娘が亡くなった。
その数ヶ月前・・・。
知的ハンデを持つ娘を男手ひとつで育てる父親は、かつては人気漫画家だったが休業し、すでに30年がたっていた。
グループホーム「ひまわり荘」で住み込みで働き始めた父親と、そこで暮らす男に心を開くようになった娘。
しかしそんなある日、父親に異変が・・・。
グループホームを舞台に繰り広げられる「擬似家族」たちの温かな交流と、父と娘の愛を描いたヒューマンドラマで「舞台史上一番泣ける」と話題を呼んだ舞台劇の映画化。
舞台版と同じく宅間孝行が脚本と主演を兼ね、映画初主演となる貫地谷しほりが相手役を演じる。
「身体は大人でも心は子供」な仲間たちの楽しい日常の合間合間で、その家族たちの「苦悩」や「葛藤」が描かれ「最良の答え」の無い複雑な問題提起も示されている本作は「実際の事件」をベースにしている事もあり鑑賞前と後で作品の印象が180度変わってくる程の「深いテーマ」があり、意外にビターでヘビーな視点でもある。
基本、グループホームから外に全くカメラが出ないという点や、オーバーアクトな役者達の演技や、劇的な照明や天候描写も含め「舞台劇」そのままのスタイルをあえて完全再現し、それを最後まで貫いている点に驚かされる。
ストーリーは「笑いと涙」のバランスが絶妙で、声を出して笑った場面が何度かあったし、ラストは本当に涙が溢れた。
他人には判らない「親と子」の深い絆が迎える結末は、想像を絶する「愛情表現」で幕を閉じる。
生きにくい社会の仕組みこそが「障害」なのだ。
そして、ラストシーンへ至る親子の「軌跡」は、輝ける数々の「奇跡」で満ちていた。
「そういう子たちが普通に生きられる世の中にすべきなんじゃないのか。」
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