モテキ (TVドラマ版) | 愛すべき映画たちのメソッド☆

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映画感想家・心理カウンセラー・芸術家のNatsukiです☆

『映画にどんなに素晴らしいメッセージが含まれていようと
「娯楽性」がなければ作品としては失敗だ』/レオナルド・ディカプリオ



「男の人ってさ、何かに打ち込んでる姿を見て、女が惚れるって思いがちじゃん。全然そんな事ないからね。まず好きになって、その人が何かに打ち込んでる姿を見て、もっと好きになるの。」

覚えているだろうか、異性と初めて飲みに行った時の緊張感を。

初めて手を繋いだ時の興奮を。

終電が無くなった時の妙な期待感を・・・。

彼女いない歴30年、ほぼ童貞。

派遣社員でモテない草食系の男は、貯金も夢も彼女もいない「漆黒の20代」を終えようとしていた。

そんなある日、モテないはずの彼の携帯に、知り合いの女性達から次々と誘いの連絡が入ってくる。

突然の「モテ期」到来に、彼の頭の中はお祭り状態になる。

これまで全く恋愛とは無縁の人生だった彼は、「知識」と「妄想」と「思い込み」だけを頼りに、不器用ながらも無我夢中で数々の女性とのデートをこなしていくが・・・。

おバカで「エロかっこいい」オープニングに、フジファブリックの「夜明けのBEAT」が流れ、冒頭からテンションの上がる本作は、名セリフの数々と「J-POP愛」と「エロ」と「童貞スピリット」が融合し、「愛」と「勇気」と「ブラックユーモア」と「石田純一」がタップリ詰まっている。

「女の心の中にズカズカ入り込んで、土足で足跡つけてこいよ。モテない奴にはモテないなりの戦い方があるんだよ。」

野波麻帆・満島ひかり・松本莉緒・菊地凛子という四人の女性に翻弄されまくる森山未來の熱演が特に素晴らしく、「ダメ男子代表」として都会の片隅で奮闘する姿に笑いが止まらない。

これは、ピュアで草食な一人の男が、女性という「未知の領域」へと旅に出る壮大なアドベンチャーであり、「男と女あるある」に満ちてヒネりの効いた恋愛サクセスストーリーでもあり、過去の名曲で彩られた日本版『フォレスト・ガンプ』でもある。

モテない男の「心の声と妄想」を全て視覚化している点も良い意味でバカバカしさが突き抜けていて、かつ画期的で飽きさせないパワーと妙な説得力がある。

そして、モテない時は全くモテないけど、モテる時は急にモテだすという、人間関係の「バランスの悪さ」がリアル過ぎて、実に面白い。

覚えているだろうか、初めてラブホテルに入った時の「アウェイ感」と「大人になった感」を。

「あぁ、こうやって好きなマンガ読んでるときが一番ラクだわ。居心地の良い地獄だ。」





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