
「夜空の、どの星が死んでいて、どれが生きているかなんて、どうやったら分かるの?」
人は、時に完全に無力である。
だけど、「希望」を持てる「強い心」がある。
そんな勇気をもらえる、忘れ難い作品。
とてつもない「恐怖」に巻き込まれ、何度も心が折れそうになり、涙が枯れるまで泣き、それでも「生きる希望」だけは捨てずに前へ進む人々。
その姿に心を打たれ、涙が止まらなかった。
これは、2004年のスマトラ島沖地震に遭遇し、離れ離れになりながらも再会を信じて生き抜いた「ある家族」の《実話》。
リゾート地でクリスマスを祝う家族5人の幸せな光景と、その「日常」に容赦なく襲いかかる津波の恐ろしさを克明に描いた序盤。
そこからラストまで微動だにできない程、映像、ストーリー、役者たち、全てに圧倒される。
そして、最も好きな女優の一人である母親役のナオミ・ワッツは、父親役のユアン・マクレガーと共に、とても演技とは思えない程に鬼気迫っていて、どの場面も心を鷲掴みにされる。
「親」である以上に、極限状態に陥った「人間」を究極の生々しさで表現していて、映画を観ている事を完全に忘れさせられる。
どんなに困難で「不可能」な状況であっても、生きる希望を持つことを忘れてはいけないし、絶望を希望に変える「何か」を見つけなければならない。
そんなメッセージで溢れた本作には、家族、運命、勇気、希望、生命、愛、という最も強い「魂」が全編に詰まっている。
それらは、どんなに大きな驚異であっても絶対に奪う事はできないし、失われかけたそれらを再び取り戻す事が「不可能」だと決めつける事は誰にもできない。
「夜空の、どの星が死んでいるかは誰にも分からないわ、絶対に。でもそれって、美しい神秘じゃない?」
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