「うぬぼれるな。われわれは神ではない。ただの弁護士だ。真実が何かなんて分かるはずがない。」
訴訟で一度も負けたことがない敏腕弁護士と、真面目で正義感の強い新米弁護士の2人が繰り広げるコメディタッチの法廷ドラマ。
ギャラクシー賞など様々な賞を受賞しているのも納得のハイレベルな完成度。
脚本と演出と役者のトライアングルが、信じられない次元で素晴らしい化学反応を起こしている。
一級のエンターテインメントとしてのストーリー展開と、シニカル視点で風刺の効いた毒っ気が奇跡的に融合し驚くほど眩しく弾けていて、どこにも隙がない完璧な面白さ。
過去のどの作品でも見た事の無いぶっ飛んだ堺雅人と、ベテラン舞台役者の底力を見せつける生瀬勝久の演技バトルが最大の見所でもある。
とにかく堺雅人の長ゼリフと早口が半端なく、役者としての鬼気迫る熱意が爆発していて、笑いと涙が交互に押し寄せる。
しかも回を追うごとにそれがエスカレートしていき後半は何度も彼の熱弁に心を鷲掴みにされた。
喜怒哀楽の表現が全力だからこそ、ここぞという場面でのギャップとインパクトに釘付けにさせられる。
彼の発する名言の数々はどれも目からウロコで、綺麗事じゃない真理を突いてくる。
新垣結衣をからかう時の意表をついた言葉選びと【言い方】には何度も笑わされた。
日々、悪ガキの様に悪態をつき人を見下した態度ばかりのふざけた振る舞いだが、善悪の固定概念をひっくり返す程の【事の奥底を見抜いた視点】と、上辺の情に流されない芯の強さがたまに見え隠れするという絶妙なバランス。
こんなに可笑しく頼もしくワクワクさせる爽快で痛快なキャラクターは今まで見た事がない。
「君が正義とか抜かしているものは、上から目線の同情に過ぎない。その都度、目の前のかわいそうな人間を哀れんでいるだけだ。」
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