悪の教典 | 愛すべき映画たちのメソッド☆

愛すべき映画たちのメソッド☆

映画感想家・心理カウンセラー・芸術家のNatsukiです☆

『映画にどんなに素晴らしいメッセージが含まれていようと
「娯楽性」がなければ作品としては失敗だ』/レオナルド・ディカプリオ



「まるで出席を取るみたいに、先生はみんなを殺し続けたんだ。」

とんでもなく危険な傑作で、映画史に残る名台詞になるであろう「東大・・・ん? TO DIE !!」のインパクトとユーモアが忘れられない。

役者根性で伊藤英明が生命を吹き込んだ《ハスミン》というリスキーなキャラクターもこの先、世界の映画好きの間で永遠に語り継がれるだろう。

『羊たちの沈黙』のレクター博士というよりも『アメリカンサイコ』のパトリック・ベイトマンを彷彿とさせる都会的で頭が切れ容姿端麗な男。

そして、恐ろしい二面性。

白黒の振り幅が半端なく、善と悪が共存したモンスターが少しづつ垣間見えだす過程がとても丁寧に描かれ、緊張感に満ちた心理サスペンスの前半。

そして地獄の後半は、蛇に睨まれた蛙の様にもう身動き出来ない。

それでいて前半の伏線が後半で何個も活かされる巧さも随所にあり、単なるパワープレイだけのバイオレンスムービーでは決してない。

主要な生徒役の役者たちも自然な演技がかなり巧く、とてもリアリティがある。

アーチェリー部の男子が、好きな女子を救出に向かうエピソードのハリウッド的盛り上がりと、唐突なオチのギャップには呆然となるし、その男子を『告白』の少年A役の西井幸人が演じているサプライズ。

山田孝之演じるチンピラ変態教師の顛末も《極限の恐怖の中の笑い》という演出がタランティーノっぽくもあり、どす黒いブラックユーモアが効いていて本当に素晴らしい。

この問題作は世界の映画史的にみても非常にEXCELLENT。いや、「MAGNIFICENT!!」

「一発で二人殺すのは難しいなあ。」



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