ぼくのゆめ | しあわせになりたかったのに

しあわせになりたかったのに

すみませんでした。

ぼくは将来、
こころが疲れた人用の、
ショートステイを作りたい。

しんどい人がふらっと寄って、
しんどい人同士で飯作って、
しんどい人同士で話しして、
飽きたら帰るの。

多分ろくなもんじゃないけどさ。
まあ、将来の夢なんだよ。

なんでだろうね。
なんでそんなことをしたいのかな。

自分がかつて身を置いていた、
そして捨て去ってきた、
グループセラピーという場、
そこで得られた何かを、
いまだに大切にしているのかもしれない。

救いも許しもない、
絶望した心のままで、
ただ存在することを許される、
他者からの受容を、
今も宝物のように感じているからかもしれない。

誰も自分のことを、
分かったり救えたりなどしないのだと、
拒絶し唾したものを、
また他者に与えるだけかもしれない。

心や魂について何もできない僕は、
せめて食う物と寝る所、
それと風呂くらいは沸かしておくから、
誰かがただ在れる場所になればいい。