精神世界系 | しあわせになりたかったのに

しあわせになりたかったのに

すみませんでした。

あのね。
ぼくは精神世界とかさ、
心理療法なんてやつがさ、
嫌いなんだよ。
そして大好きなのさ。

心や魂を癒そうという甘美な救いの幻想には、
具体的な手立てもなければ終わりもない。
金をかけて、時間をかけて、
受ける意味なんてない。

嘆きと慰めをコミュニケーションのツールに使い、
泣いてカタルシスを得ることを目的とする、
そんなコミュニティの心地良さに浸って、
陰気な自分を大事にするのはやめた方がいい。

気付きだとか言語化だとか、
ずいぶん大げさに賛美するけど、
日常を生きていれば気付くことはたくさんあるし、
言葉を通してふれあう身近な関係にこそ、
大切なものは多い。

それでも、
日常では決して露わにしない内面を吐露し、
傾聴しあう場ってのは、
特異な感覚と気付きに触れられる。

ああ素晴らしい。
またいつか、
あの場に身を置いてみたい。