心は、いつだって一つだけなんだ。
僕の中には、ぼくの心ひとつ。
君の中には、きみの心ひとつ。
その一つっきりの心が、
ひとりっきりではなくなるために、
言葉は必要なのかなって思うんだ。
どうやら僕の頭の中では、
細胞が手を取り合って、
こころを織りなしてるらしい。
幾万の細胞が、
限りない粒子を遣り取りしながら、
ようやく一つの心になっているらしい。
小さな一粒ひとつぶが、
絶え間なく受け取り、伝えていくことで、
一つの心を形作っているらしい。
頼りない孤独に包まれた、
曖昧模糊な心。
それが、互いに手を取り合えるとしたら。
言葉をこころの粒子みたいに、
受け取り、伝えることで、
君と僕の間を埋めてゆけるならって。
ぼくの心は一つだけれど、
きみと仲間になれるのかなってさ。
そう、思ったんだ。