釧路の夏は壊れてしまった | THE WING OF EIEL

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エイエルの翼は何処へ飛翔するのか

9月6日水曜日、テレビ朝日の「モーニングショー」"今年の涼しい街・Final"でついに釧路が紹介された。

 

 

 

 

過去4回の放送で本州の涼しい街が紹介されていたが、桁違いで釧路だろうにとずっと思っていた。気温にして軽く10℃は違うからだ。

 

ところが今年は過去の釧路の夏とはかなり異なる状態となっている。昔から釧路や根室は真夏の一ヶ月くらいしかストーブを焚かない時はなく、大袈裟ではなく一年のうち11ヶ月は暖房器具を使用してきた地域なのだ。それがストーブどころではなくなってきたこの夏だった。

 

釧路の一般家庭でエアコンを付けているところはほぼ皆無である。扇風機すらない家も珍しくない。それどころか、介護施設や故郷施設ですらエアコンの設備がないところも珍しくない。必要なかったからだ。

 

私は去年釧路町に引っ越してきたばかりだが、去年の夏は窓を開けたまま寝ることなんてなかったし、扇風機も自室では一度も使わなかった。札幌ではタオルケット一枚で扇風機をつけっぱなしにしても寝苦しい夜が三ヶ月くらい続いていたが、釧路に来てからは夏でも冬掛けの布団を掛けて寝ていた。

 

ところが今年はずっと毎日窓を開けたまま寝ているが、それでも室温は25℃を下回らない。元々釧路の夏って、外気温25℃を超えることすら珍しく、朝晩は冷え込んでお盆を過ぎればもう寒くて、年寄りの家では本当にストーブを短時間焚いているのが当たり前だ。

 

上記の番組ではインタビューで皆「涼しい」を連発していたが、それはいつもの夏のことであって、今年は仕事で高齢者の家に行くたびに第一声は「いやー暑いね」だった。今もそうである。釧路は気温こそ他地域に比べ低めだが、広大な釧路湿原が広がり、海霧も上がってくるので湿度が異常に高く、体感の暑さはかなり強い。

 

気象庁発表では今年釧路市では30℃を超えた日はなかったようだが、街中の温度計や車載の気温計では何度も30℃を超えていたし、30℃前後の気温が7月末には10日間くらい続いた。8月に入って少し落ち着いたかと思えば、お盆前からまた27〜28℃といった日が続き、9月に入っても我が家の庭の気温計は何度も30℃に達しているし、室温も9月10日の夕方で33℃あった。今日も窓を開け放しにしていても室温は25℃を下回らない。

 

今までの釧路の夏は完全に壊れてしまった。全世界的な気候崩壊なので、もう昔の涼しさは戻ってこないのかもしれない。今年の釧路は20〜30年前の札幌と変わらないような気がする。

 

それでも他の地域と比べれば10℃以上は常に気温が低いのだ。仕事の関係で移住したが、札幌での生活は気候の面で私にとっては限界でもあった。これから気候を理由にした移住者も増えていくだろう。ここは最後のオアシスだ。