どうも…ショーエイです。
連日大荒れの香港デモ。
デモ隊の行きすぎな行為に不快感を感じる人であり、
言論の自由という意味で彼らの行為を応援する人と多々居ると思います。
実際に言論の自由を尊重する側としては彼らの主張する気持ちを
汲み取らない訳には行かないのも事実です。
そういう中で大きな葛藤を考えさせる出来事であった事は言うまでも有りません。
そういう心情も考えつつ中国政府の対応を見ていると、
実に巧妙な手段で当たっている事を痛感します。
中国政府の葛藤は…
①デモの主張に屈して政策を転換することは出来ない。
いわばデモ行為の主張で決定した政策を転換してしまえば、
中国国内の統制に影響を及ぼすからで、
革命などの運動に繋がってしまう事。
②外交上の印象からデモ隊を天安門事件の様に弾圧できない。
出来る事は犯罪行為に対する対応で有り、
社会混乱を引き起こす不法行為への対処。
地下鉄を不法占拠したのはデモ隊の罪で、
一定時間を置いて排除に入った行為は、
逆に短時間のデモ行為は許容して、
社会生活に影響が出始める状態に過激化した状況になって、
デモ隊の行為が「行き過ぎ」と言う印象を与えた上で
排除に掛かっている。
①と②の葛藤の中、
中国政府ないし香港政府は実に巧妙に考えて、
これに対処していると言えます。
こうした葛藤の中で見出したいわば中国政府の抜け道は…
実に頭が良いと言えます。
言論を一方的に封じ込めるのではなく、
主張はさせておいて交渉には応じない姿勢で、
デモ隊にストレスを与える。
そのストレスによって過激な行動に出るデモ隊を、
法律的な根拠の下で逮捕する。
2か月以上に渡る香港特別市の混乱は、
中国政府は長期的な視点で政治的な調整時期
(経済の一時的なリセッションを調整時期と扱う感じと同じ)
として考え、無理な排除をせずに、
その混乱状態で生じる市民のストレスとデモ隊のストレスを
意識上で衝突させる方向でこの状態を管理している。
これが更に長引けば香港は経済混乱のまま
兵糧攻めにあう状態に成り、
たとえ中国政府の手段に気づいても、
生活を困窮させていくか香港の経済力を維持するかの葛藤で、
状況は決する。
人権問題として考えても、
法律上の規定に基づいて対処し、
デモ隊を無理に残虐な方法で排除していないのなら、
国際的な批難は回避出来ます。
どれだけアメリカの政治家が批難しても
彼らが十分批難しうる根拠がないため、
無視できる言葉にしか成らないから
(いわばアメリカの政治家の主張に説得力が無くなるという話です。)
さて怖いのは…
地下鉄から空港にまで発展したデモ隊の不法占拠。
ここまでくると国家反逆罪という意味で、
社会生活を混乱させた罪…
日本では威力業務妨害+不法占拠にプラス内乱罪まで
加算される内容に成ります。
デモ隊の首謀者はまんまと中国政府の術中に嵌ったことに成り、
こういう罪により死刑になる可能性すら出てきたわけです。
中国政府の狙いはいわばココです。
デモ首謀者が犯した罪を法規上の理由で裁くことで、
過激デモに対する抑止としようという事です。
今回一番腹立たしいのは、
寧ろ米国の扇動です。
米国政府は恐らく公には否定するでしょうが、
今回は一人の無知なデモ隊首謀者を
まんまと中国政府の術中に乗っかる形で扇動したという事です。
中国政府は鼻っからそういう動きを察して、
また国連の人権問題の目を意識した上で、
方策を考えていたという事です。
古典意識が齎す影響は、
そういう不可思議な犠牲者も生むという形で認識して欲しいです、
世界が今回の香港デモを見て感じるべきところは、
現状、天安門事件の様な事態が発生していない事。
また、世界の人権に対する厳しい目が、
中国に安易な選択肢=武力鎮圧をさせずに、
国民との契約として成立する法律上の下で、
上手く対応する姿勢が伺えたこと。
「言論の自由による主張」が
必ずしも政治的正当性には成らないとう事から、
デモ隊の主張が聞き届けられない状況は、
現状問題視するモノでは無い。
寧ろその施行結果から生じる副作用を以て、
国際的に議論していくものとするべきです。
今は施行を止められずとも、
施行内容が人権を著しく侵害するモノと判断され、
中国政府との高いレベルでの議論の後、
国際社会から撤回を要請することは可能であるという事も
香港の人たちには考えてもらいたいと思います。