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「モンスター」
百田尚樹著

仕事おわりに本屋さんでふと手に取った本に惹きこまれ一気に読破。
珍しく夜更かししました。

【あらすじより】
田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた未帆は、整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。そのとき亡霊のように甦ってきたのは、ひとりの男への、狂おしいまでの情念だったー。



醜い女性の和子。
太っていた自分とカブって感じて妙に引きつけられました。
私も太っていた時に女性らしい扱いをあまり受けたことがなくて、自信がなくて人に会うなんてできなかったのを思い出しました。
「笑顔がブス」と言われたことをきっかけに笑えなくなり、自分はなぜキレイじゃないんだろうとなんの努力もせずに食っちゃ寝て人にあわない生活。
今思えば太ってても性格が明るければきっと今の体型にはならなかったかもしれません。

以前、人に何気なく体型のことを言われたことで傷つき、人が怖くなりました。 ネガティブで太ったというより、太ったことでネガティブ要素が強くなったように思いました。

本文に「美人には自然と周りが親切にしてくれるから素直に育ちやすく性格がよい。ブスは周りから傷つけられ人が怖くなり、性格が歪む」といった内容のことが書いてあり、ズキっとしました。

現在はキレイな人が努力したり、工夫したりしているのを知っていて人を羨むことも自分と人を比べることもないですが、太っていた時は「美人は甘やかされているからきっと性格が悪いはずだ」と思っていました。
性格が悪いのは穿ったものの見方をする当時の私でした(笑)


作中では和子は整形して明るく魅力的になっていって別人のようになり美帆になります。

キレイになると周囲が変わることの描写を男性の百田さんがリアルに書いてあることに驚きました。
実際に20キロやせてキレイを磨き、準ミス日本になった後の周囲の態度は驚くほど違い、戸惑いを覚えたほどでした。

太ってた時と今のスタイルで言っている内容は同じでも外見が変わるとこうも受け取る側は変わるものかと体感しました。

もう二度とあの頃の体型には戻りたくないから、日々小さな工夫と努力をしています。

整形の是非は個人の問題で様々な事情があるでしょうから、私は何も申し上げるつもりはありませんが、個人的には親からもらったカラダに傷をつけるのは申し訳ないので行いません。
でも、本文には整形のことも詳しく書いてあり、興味深かったです。


ダイエット。
メイク。
髪型。
黒目が大きくなるコンタクト。
まつげエクステ。
整形。
ファッション。
笑顔の訓練。

自分をキレイにみせるためのいろんな手段。

キレイになること。

好きなひとのため?
自分のため?


女性の美や人間とは何かをちょっと考えさせられた内容でした。
興味がある方は読んでみては?
400ページ超を一気に読ませるリズム感のある文章は素晴らしいです。