日本国の研究 | 辻川泰史オフィシャルブログ「毎日が一期一会」Powered by Ameba

日本国の研究

猪瀬先生のメルマガで紹介頂きました!




2010年11月04日発行 第0622号 特別
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 ■■■    日本国の研究           
 ■■■    不安との訣別/再生のカルテ
 ■■■                       編集長 猪瀬直樹
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                 http://www.inose.gr.jp/mailmaga.html

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    ■□■ 『東京からはじめよう』(MXテレビ) ■□■

    11月6日(土)21:00-21:55(毎月第1土曜日)
    ゲスト:村上隆(現代美術家・アーティスト)

 昨日11月3日水曜日(文化の日)、猪瀬直樹が企画し、村上隆さんや批評家
の東浩紀さんが参加したイベント「すてきな言葉と出会う祭典―『言葉の力』
を東京から―」が開催されました。村上さんが手がけたポスターの効果もあり、
5000人が来場する大盛況となりました。

 今月の『東京からはじめよう』はイベントの模様と、村上さんとの対談中心
にお届けします。

 当日に来られなかった方もこの放送を見ていただければ追体験できるはずで
す。


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 猪瀬直樹のツイッターは11月4日現在、フォロワー約6万人。
 http://twitter.com/inosenaoki  

 最近のつぶやきを紹介します。

「書店で僕の本を探していて、別の著者の本に出会う。別の著者の本を探して
 いて僕の本に出会う。それが書店の醍醐味。アマゾンは絶版でない限り必ず
 入手できる確実性。両者が補い合う、読者にも著者によいこと」

「台風一過の明朝。羽田国際定期便第1号、羽田-台北(市内15分の松山空港)
 に搭乗。その夜の記念レセプション80人のテーブル席に『東京水』が置かれ
 ます。『第一便で届きましたよ。人もモノも、そして東京そのものも近くな
 りました。おいしい水をどうぞ』と僕はセールスマン」

「台湾では日本の『爽健美茶』が売れている。東京水道の水を村上隆デザイン
 のぺットボトルにして売るブランド戦略も考えられる。東京でシャワーを浴
 びたら肌すべすべと若い女の子の間で話題になっているぐらいだから」

「仕分けは道路公団民営化委員会のノウハウを真似たつもりかもしれないが似
 て非なるものだ。独自資料をつくり、逃げても逃げても相手が悲鳴をあげる
 までディテールで攻め続けた。二の矢・三の矢を射るし、データは正確でフ
 ェアなので認めざるを得ない。そしてトップの小泉首相がブレなかったこと」

 猪瀬直樹Blog(http://www.inosenaoki.com/ )と共に、ぜひチェックしてく
ださい。

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 今週のメールマガジンは、株式会社はっぴーライフ代表取締役社長・辻川泰
史さんが執筆した「介護業界の活性化」についての論考です。

 介護現場の給与水準は低いといわれていますが、辻川さんは多い人には月40
万円を支払っているそうです。介護業界を「疑似市場」と呼び、経営に売り上
げ概念とコスト意識を持ち込んでいます。

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「介護業界の活性化」

                               辻川泰史


 はじめまして、(株)はっぴーライフ、(株)エイチエル代表の辻川泰史と
申します。

 私自身は在宅介護サービスである、デイサービス、訪問介護の事業を行って
おります。昨今、介護業界では人材不足が深刻化しておりました。当然、当社
にもその影響は少なからずありました。何故、人材が不足してしまっているの
か? それは、介護という職業の社会から見たイメージが3Kと言われ、職業
の選択時に敬遠されてしまう事もその一因だったと感じます。

 業界として多く意見が出たのは、「制度のせい!」という事でした。はたし
てそれだけが問題なのか? 疑問を持ちました。介護業界は「疑似市場」だと
私は感じております。デイサービスの単位数(利用料金)は掛け率の差はある
ものの全国一律です。同じサービスを、民間、社会福祉法人、医療法人、NP
O等が行っています。疑似市場だと競争原理が働かないという様な側面もあり
ますが、逆に考えるとこれは、チャンスだと言えます。国の制度だからこそ、
キャッシュフローに心配はありません。同じルール(法律、規定、条件)、同
じ報酬で行うという事は工夫をし新しい事をすれば利用者に選択され、求職者
に選択される法人になる事ができると思います。

 私が最初に取組んだ事は介護業界では異例ともいえる、ホームページ(株式
会社はっぴーライフ http://www.hl-tokyo.com )の構築でした。ホームページ
の内容を充実させる為に、多くの試行錯誤をしました。ホームページで取組を
公開し、それを上手く相手に理解してもらう為に動画まで取り入れました。ホ
ームページで取組を公開していくという事は当然、日頃からの取組を充実させ
る必要があります。

 ホームページを充実させる過程において、サービスのメンテナンスができ、
質が向上するという副産物まで得る事ができました。それに伴い、年間ホーム
ページから300名以上の求職者の応募を得るまでになりました。その取組は
TVでも取り上げられ、全国からその方法を教えて欲しいという要望が殺到し
ました。

 自分の抱えていた課題は業界全体の課題ではないか? と感じ、自らの経験
を踏まえ、(株)エイチエルを設立し介護事業に特化したコンサルティング事
業を開始しました。制度の問題を指摘していく事も重要ですが、何よりも介護
業界に従事する私達が広い視野を持っていく事が必要と感じております。国や
区市町村が積極的に研修会などを主催してくれてはいますが、これはあくまで
も「介護技術」「介護知識」というものに特化したものがほとんどです。これ
だけでは不十分だと感じます。社会全体から見た介護職の責務、位置付け等の
学習、ビジネス感覚も多少は介護職にも必要な事だと思います。そういった事
を念頭においた講演会、セミナー主催も開始しました。

【介護職】
「低賃金」「重労働」「人材不足」という側面がクローズアップされている介
護業界。そういった部分も確かにあるのは現実です。しかし、この介護の仕事
には「明るく」「誇れる」事が多くあります。そういった仕事に従事している
介護職員が社会から認められる事は必要です。何故なら、日本は急速な高齢化
社会に突入しています。2020年には65歳以上人口は3334万人になり、高齢化率
は26.9パーセントになると予想されています。労働人口の減少で人材の確保が
どの業種でも困難となります。そして、社会の一線で活躍し老いを迎え介護が
必要になる人も年々増加して来ます。それに伴い、家族介護を行う為に仕事を
辞めざるを得ない人も増えてきます。介護負担を軽減し介護を必要とする家庭
の負担を軽減していくことも必須です。

 その社会にとって必要不可欠になる介護問題を支える仕事に従事する介護職
の地位向上は必要な事です。制度の問題、法人の問題などの問題のみでなく、
介護職自身が自己研鑽を行っていく事も大切です。

【介護業界の活性化】
 最近、介護業界を活性化するという取組は、若手の経営者、NPO団体等が
多く行い始めています。多くの人たちが業界の発展の為に、行動を起こしてい
く事はとても素晴らしく歓迎すべき事です。

 しかし、介護業界を活性化する、とはいったい何を活性化していくのか?
活性化【かっせいか】を広辞苑で調べてみると下記のような意味が出てきます。
沈滞していた機能が活発に働くようになる事。また、そのようにすること。こ
ういうと、反感を覚える方も多いかもしれませんが、すでに活性化している面
もあると思います。

 介護保険以前の措置時代には考えられなかった事が既に起きています。介護
保険がはじまり、成果を上げた事は沢山ありますが、その中で私自身が感じた
事を3点あげてみます。

(1)民間企業の参入によりサービスの幅が広がり、新たな概念が入った
(2)多くの方に注目される業界になった
(3)私のように現場出身で起業する人が増えた

しかし、まだまだ不十分です。では、一体、どういうような状況が活性化する
という事なのか? 介護職の職場環境の向上と賃金UP、学生が志してくれる
ような業界、正当な競争が出来る業界構築、良質な介護サービスの提供、など
数多くあると思います。やるべき事は沢山あります。

 介護業界を活性化する為には、多くの視点が大切ですが、その中で特に3つ
の視点が重要だと思います。

(1)介護職員(現場)視点
(2)経営者視点
(3)利用者視点

(1)視点は(2)視点も理解する事が必要であり、(2)視点は特に(1)
視点を重視する事が必要だと感じます。相互の立場をある程度、理解していく
ことが大切だと思います。(1)視点のみだと、運営が厳しくなる可能性もあ
ります。(2)視点のみだと、現状からの向上はできなくなります。介護業界
を活性化しようと思った時に、まず何から行動を起こすか? それは各自の立
場や個性を活かして行っていけばよいと思います。

【活性化する第一歩に必要な事】
 私が活性化の為に必要だと感じている事は下記のような事です。

(1)広い視野、視点、考え方を得てもらう機会をつくること
(2)利害関係なく、想いを共有できる同業界の人と接する機会をつくること
(3)想いだけの経営でなく、想いと経営のバランスを保った経営をしていく
   経営者、管理者に対して良質な情報を提供する場をつくること

活性化して結果に結び付けていく事が出来るかは分かりませんが、何かの行動
を起こす事が大切だと感じております。

 介護サービスを利用される方の多くは高齢者です。その高齢者の方々はサー
ビスに対してあまり要望を言わない傾向が強くあります。世代的なものもある
のかもしれませんが、「サービスをしてもらっている」という意識が強くある
のが現状です。顧客意識が低いという事です。介護というサービスの性質上、
難しい問題です。

 ただ、介護サービスを必要とする利用者が権利として声を発することが少な
いと本当の意味での活性化はしないのではないかと感じます。産業の発展は顧
客のニーズの高まり、要望によって成長します。国の制度も、サービスを行う
側の意見等よりも実際にサービスを必要とする側の意見を重視する事が多くあ
ります。利用者が、自ら望む介護サービス体制を声に出して言って頂く仕組み
を作る必要があります。

 しかし、急にその声を吸い上げるのは困難な事です。まずは、現在、介護職
として従事している一人一人が、利用者の声を汲み取り、個々の環境で実践し
ていく地道な取組が必要な時期であると思います。

【介護業界活性化フォーラム2010開催】
 詳しくはこちら。 http://www.eichieru.com/seminar_101109.html  
 
 第一部は介護福祉士・袖山卓也氏の講演です。演題は「介護職には何が必要
か?」というテーマで講演頂きます。袖山氏の講演からパワーをもらえるはず
です。

 第二部はパネリストに猪瀬直樹・東京都副知事をお迎えし、介護業界に必要
な事、現状などをテーマにディスカッションを行います。

パネリスト
猪瀬 直樹氏(東京都副知事 作家)・野原 すみれ氏(作家)・諏訪 茂樹
氏(東京女子医科大学 准教授)・白鳥 淳氏(セントケア神奈川(株) 社長)
・川村 匡由氏(社会福祉学者・博士)・寺田 真理子氏(パーソンセンター
ドケア講師)・コーディネーター 辻川 泰史

 第三部は緩和医療医であり、「死ぬときに後悔すること25」が20万部を突破
し作家としても活躍されている大津秀一医師の講演です。終末期医療に携わり
その中で得た経験は介護だけでなく、自分の人生観にも大きな影響を受ける事
になると思います。又、講演を聴くだけが今回のフォーラムの目的ではありま
せん。参加者同士の交流も視野に入れています。同じ想いを持った人が集まる
事で何かのきっかけになると思います。


■著者略歴■
辻川泰史(つじかわ・やすし) 株式会社はっぴーライフ 株式会社エイチエ
ル 代表取締役社長。2002年、「福祉業界の社会的認知の向上」「良質なサー
ビス提供」「福祉業界に従事する者の自己目標達成」の実現のため有限会社は
っぴーライフを設立。著書に『福祉の仕事を人生に活かす!』(中央法規出版)。

株式会社はっぴーライフ  http://www.hl-tokyo.com
株式会社エイチエル  http://www.eichieru.com
毎日が一期一会Blog  http://ameblo.jp/eichi-eru



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  メールマガジンの感想をお待ちしております。
「日本国の研究」事務局 info@inose.gr.jp


猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
■出演情報

・11月6日(土)21:00~21:55 東京MX「東京からはじめよう」。ゲストは、
 アーティストの村上隆さんです。11月3日(文化の日)に猪瀬直樹や村上隆
 さんが参加したシンポジウム「これからの社会で求められる言語力 ~東京
 から『言葉の力』を再生する~」(東京国際フォーラム)の模様も放送され
 ます。

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            大増刷出来!

  売り切れが続いていましたが、現在は書店に必ずあるはずです。       

  ◇◆「水道の海外進出」「地下鉄一元化」「空港」「すまい」◇◆
 ◆◇◆       東京はドーンと成長する。       ◆◇◆
      
         『東京の副知事になってみたら』   
      (小学館101新書)      


      http://www.amazon.co.jp/dp/4098250888  

  2007年6月、石原慎太郎・東京都知事からの「特命」は突然だった。
  東京が国との間に抱えるさまざまな問題を解決すべく、突破口となる
  役割を託された作家は、都庁の中で、何をみてどう感じ、どう動いて
  きたか。作家の想像力が行政に与えた影響とは?

  就任から3年、永田町・霞が関との戦いから都職員との触れ合い、東京発
  の政策提言に到るまで縦横無尽に綴る。

               *

  猪瀬直樹からのメッセージ。
  
「副知事になって初めて都庁の内幕を描きました。結局、東京が成長戦略を描
 けばよいということがわかりました。東京水道の海外進出、メトロと都営地
 下鉄の一元化、羽田空港のハブ化、東京湾の民営化、高齢者のケア付きすま
 い。東京はこれからもドーンと成長する」
  
      http://www.amazon.co.jp/dp/4098250888  

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