塩野七生「ギリシャ人の物語Ⅱ」から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「われわれは美を愛する。だが、節度をもって」

「われわれは知を愛する。しかし、溺れることなしに。」

「われわれは、富の追求にも無関心ではない。だがそれも、自らの可能性を広げるためであって、他人に見せびらかすためではない。」

「アテネでは、貧しさ自体は恥とはみなされない。だが、貧しさから抜け出そうと努力をしないことは恥とみなされる。」

「彼の国は外国人を排除することによって国内の安定を図るが、アテネでは反対に、外からする人々に対し門戸を開放している。他国人にも機会を与えることで、われらが国のより以上の繁栄につながると確信しているからだ。」

 

「ペリクレスが男に一切応じなかったのは、言論の自由を尊重したからではない。言論の自由を乱用する愚か者に対する、強烈な軽蔑ゆえの振る舞いである。怒りもしなかったのは、この種の愚か者の水準にまで下りていくのを、拒否したからに過ぎなかった。怒りとは、相手も同等であると思うから、怒る感情なのだ。」