「もういちど読む山川哲学」その11 | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「オリーブの実が熟すれば、自分を実らせてくれた大地を讃え、自分を生んでくれた幹に感謝しつつ、大地に落ちるごとく、心穏やかにその時を終えることである。」(マルクス=アウレリウス『自省録』)

「よく育ったオリーブの木によい実がなるように、よい死を迎えるには、よい人生を生きてよい果実を熟させることが必要である。人として誠実に生き、努力し、成熟したよい人生の果実を育てることが大切である。不平不満や愚痴ばかりで、腐っている暇などない。人生の果実をえるために、家庭人として、職業人として自分がなすべきこと、なしてみたいことに日々努めることである。マルクス=アウレリウスはローマ皇帝としての責務に誠意をもって、全身全霊で取り組んだのであろう。人生という果実が熟することができたならば、自然とそれを生んでくれた大地と幹に感謝して、心穏やかに大地にももどれるだろう。」