シュリーマン「古代への情熱」から | さかえの読書日記

さかえの読書日記

琴線に触れたことを残す備忘録です。

「私のどんな言語でもその習得を著しく容易にする方法を編み出したのである。その方法は簡単なもので、まず次のようなことをするのだ。大きな声でたくさん音読をすること、ちょっとした翻訳をすること、毎日一回は授業を受けること、興味のある対象について常に作文を書くこと、そしてそれを先生の指導で訂正すること、前の日に直した文章を暗記して、次回の授業で暗唱すること、である。」

「私の記憶力は、子供のころから全く訓練していなかったために弱かったのだが、しかし私は学習のためにどんな短い時間でも活用したし、時間を盗みさえしたほどだった。できるだけ速くよい発音を身につけるために、日曜には定期的に二回、イギリス教会の礼拝式に行き、説教を聞きながらその一語一語を小さな声で真似てみた。使いに行く時はいつも、雨が降るときでも手に本を持って行って、少しでもそれを暗記した。郵便局で待っているときにも、本を読まないことはなかった。こうして私の記憶力は徐々に強くなった。」