エッカーマン「ゲーテとの対話」その4 | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

 「わたしは、シューバルトを読んでいる。彼はすぐれた人物であることはまちがいないが、彼の意見も、われわれ自身の言葉に置きかえてみると、なかなかどうして立派なものだね。彼の書物の趣旨は、こういうことだよ。まず哲学の除いた一つの立場、いわば健全な常識の立場とでもいうべきものがある、ということさ。そして、常に芸術や学問というものは、哲学から独立を保つとき、自然そのままの人間の力を自由に発揮して、いつも最大の繁栄をとげてきた、というのだ。これは、われわれにまったくお誂え向きの意見といえるな。私自身はいつも哲学から自由な立場に立っていた。健全な常識の立場というのが、私の立場でもあったわけだ。だから、シューバルトは、私が人生においてみずから言ったり実行してきたりしたことを確認してくれることになる。」




 クリスティアン・フリードリヒ・ダニエル・シューバルトドイツ語 :Christian Friedrich Daniel Schubart1739年 3月24日 - 1791年 10月10日 )は、ドイツオーバーゾントハイム (旧ヴュルテンベルク )出身の詩人音楽家

18世紀 後半に流行したシュトゥルム・ウント・ドラング を代表する詩人で[1] 、ドイツ最初の政治詩 とされる『領主の墓』や『乞食兵士』を著し[2] 『人間的な心の歴史によせて(Zur Geschichte des menschlichen Herzens[注釈 1] 』は同国出身の詩人フリードリヒ・フォン・シラー戯曲群盗 』にも見られるように、シラーに大きな影響を与えた。またオーストリア の音楽家フランツ・シューベルト1817年作曲 した『 』の作詞者として知られる。

バーデン=ヴュルテンベルク州1956年 から主催する文学賞シューバルト賞 ドイツ語版 」に名を残す。