「概略を読む」その8 | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「有名な諺ですけれども、ヨーロッパの中でも同じような比較が伝えられています。『一人のイギリス人は愚鈍である。二人のイギリス人はスポーツをする。三人のイギリス人は大英帝国を作る。』と。この頃はその大英帝国もだいぶ怪しくなってきましたが、要するにイギリス人は一人一人は愚鈍だけれども、アソシエーションを作ると、組み合わせがうまくて、大事業をするというわけです。」


「それと対照的な例としてドイツが出される。『一人のドイツ人は詩人であり、思想家である。二人のドイツ人は俗物である。三人のドイツ人は戦争をする。』というのです。確かにドイツ人は一人一人は大変文化的レヴェルが高い、それが二人になると俗物に化する。ニーチェに『教養ある俗物』という有名な言葉がありますが、孤立していると立派だが、集まるにしたがってだんだん悪くなり、やがて多くのドイツ人が組むと戦争をおっぱじめるようになる。」


 日本人は、会社にしろ役所にしろ、一人ひとりと話をすれば、極めて常識的で平凡な人だが、組織の一員となると、とんでもないこと、ばかげたことを平気でやるのは、なぜか。ということを思い出した。