河合隼雄「働きざかりの心理学」から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

「攻め込むときの責任ではなく、負け戦の責任をとれる人が、それぞれの部署にいなかったら、会社は潰れてしまう。事業がうまくいっている時は、だれが責任者がなどという必要はなく、皆をおかげで…といっておればよい。しかし、事を始めるときには失敗の可能性を考えなければならない。そして、もしも失敗をしたときは自分は責任を負う、とはっきりと決意して動く人物がいるので、その集団をうまく動くことができるのである。何かミスが生じたり、うまくいかなかったりすると、日本的な責任のあいまいさの中で逃げ込んでしまう。あるいは、失敗の可能性の高いことには、自分は中心人物にならずに、責任を逃れる道を残しておく。そのようにして、うまくことが運んでいるときにのみ、自分は他人に劣らず働いているとしても、それは管理職にはなれない。」


 負け戦の責任がとれるような人をポストのつけているようにはとても思えないが、そもそもそのような組織ではないということか。