修身教授録から | さかえの読書日記

さかえの読書日記

琴線に触れたことを残す備忘録です。

「下坐行とは、その人の真の値打よりも、ニ、三段下がった位置に身をおいて、しかもそれが「行」と言われる以上、いわゆる落伍者というのではなくて、その地位に安じて、わが身の修養に励むことをいうのです。そしてそれによって、自分の傲慢心が打ち砕かれるわけです。すなわち、身はその人の実力以下の地位にありながら、これに対して不平不満の色を人に示さず、まじめにその仕事に精励する態度を言うわけです。つまり世間がその人の真価を認めず、よってその位置がその人の真価よりはるかに低くでも、それをもって、かえって自己を磨く最適の場所と心得て、不平不満の色を人に示さず、わが仕事に精進することを言う。」


 頭では理解できても実行するのは難しい。