中身の薄い提案書(2)-ターゲットインサイトを踏まえる- | Webディレクターの生活

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(前回のエントリーつづき :「中身の薄い提案書(1)」


「Webサイトは使いづらい」
⇒「使いやすくすべき」といった

表面的な提案になりがちな事象を、
どのようにすれば回避できるか。



端的に言えば、
ターゲットインサイトを踏まえていること」が
必須条件となる。


例えば、改修対象がIRサイトであれば、
IRサイトに触れるターゲットのインサイトを
踏まえているかどうかが生命線である。


それができないと、
せいぜい、
Webサイト最適化視点で、


・デザイン/図を見やすくする
・グルーピングを分かりやすくする
・マルチデバイス対応をする


…といった他のサイトと
変わらない浅い考察に留まってしまう。


インサイトを踏まえた提案例は、
例えば以下のような具合だ。


<IRサイトの改修/検討例>

 ・個人投資家向けのコンテンツの有無
 ・ぱっと見で分かる業績ハイライトの有無
 ・格付け/配当/株主優待情報の有無
 ・コーポレートガバナンスに関する情報提供有無
 ・最新資料の一括DL機能の有無
 ・アニュアルレポートのページ単位のDL有無
 ・xlsやcsvでの情報提供有無
 (…など順不同)


これはIRサイトを主に閲覧する、
個人投資家、機関投資家、外国人投資家の
ニーズを調査して書き出した例であるが、
こういったニーズ群と、該当企業のIRポリシー/保有情報を掛け合わせて、
初めて提案すべきコンテンツが成立する。


聴き手側も、課題抽出から、
ターゲットインサイトを踏まえた具体案まで聞くことで、
全てが繋がり、提案への納得度も高くなる。


この視点はWebサイトだけ睨めっこしても、
何も改善点は見いだせない。


サイトを使うユーザーの視点を体得し、
いかに日頃から問題意識を持てるかに尽きると思う。


冒頭の「問題点の逆さまの提言」に至る理由として、
突き詰めると、調査不足、インサイト理解不足が非常に多い。


提案に向き合う際には、
今一度、表面的になっていないか、
本当にターゲットインサイトを踏まえて、
具体的な提言になっているか、
振り返ってみることをお勧めする。