まさかの本日3回目の更新です。

 

偉そうなタイトルですが自分の経験から移行医療についてだらだら考えるだけなので気楽に読んでいただけると幸いです。

少しでも同じような状況の人に読んでもらえたらより嬉しいです。

 

まず私は24歳で子ども病院を卒業して大学病院に転院しました。

 

大学病院に初めて行った時の事はブログに書いてあります。

 

24年間慣れ親しんだ病院を離れ新しい病院行く。

正直不安でいっぱいでした。

こども病院の先生のお話で、大学病院にこども病院の先生が先天性心疾患のことを指導しに行っていることも知っていましたが、逆に言えば先天性心疾患の診察を始めて間もない病院に行く不安がありました。

 

転院から今日まで約5年半・・・。

いまだに不安は消えるどころかこの前の入院で不信感さえ出てくる始末。

 

移行期医療の難しさを実感しています。

 

じゃあ何が不安なのか?

一番の不安要素は検査です。

 

特に初めて行ったとき1時間かかった心臓エコー。

毎回数値が上がったり下がったり。

それは検査者によって違ったりするのは分かっていますが背中の後ろで前回の結果と比較していたり時間がかかったり・・・。

確かにエコーははっきりした数値を出せませんしエコーの結果だけで判断できません。

 

こども病院ではこんなことなかったのに、とつい比較をしてしまいます。

 

先天性心疾患を受け入れるに当たって先生達はこども病院の先生に教えてもらって、時には一緒に診察をしてという風にしていますが、その診断材料となる検査をする人間はどうでしょうか?

もしかしたら認定検査技師の方がしてくれているかもしれませんし先天性心疾患の勉強も勿論していると思います。

他院で研修もしていたかもしれません。

でも患者にはそんなことは関係なくて検査にかかる時間や苦痛、検査結果を聞いて元々居た病院と比較してしまいます。

 

では臨床検査技師として考えてみます。

そもそも先天性心疾患とは一般の病院で働く臨床検査技師にとって学校の授業で習ったなー、国家試験に名前出てたなーくらいのものです。

生理検査担当の人はもっと踏み込んだことまで勉強していると思いますが、普段の仕事でエコーを担当していない技師はだいたいこんな感じです。

生まれたてのまだ治療をしていない状態の心臓の状態は疾患名でなんとなくわかります。

ただ成人先天性心疾患の難しいところは疾患も治療も患者によって違うし多種多様と言うところだと思います。

疾患と手術の術式を把握して尚且つ自分の思うようにエコーを当てて画像を出すというのは本当に難しいと思います。

私も自分の病院の普段エコーをしている先輩に診てもらいましたが難しいし診たいところが診れないといわれました。

最初からこども病院で治療後の心臓を経験しているのと急に治療後の心臓を診るのとでは明らかに経験の差が出ます。

私もエコーではないですが、新しいことをするのに就職してから訓練をしました。

私の場合は尿沈渣で泌尿器科の尿中細胞を見ることになり、学校では習ったけど実際に診るのは初めてなので先輩達と異型細胞(腫瘍細胞)について勉強したりサンプルを使って通常の細胞と見分ける練習をしました。

こういった苦労の末だんだん細胞を見分けることが出来るようになったので、新しく先天性心疾患の心エコーを始めた技師さんの気持ちも分かります。

カテーテルにしてもそうです。

治療後の心臓の状態は私自身も自分では完璧に説明できないところがあります。

でもやっぱり患者さんにはそんなことは関係ないのです。

 

では先天性心疾患を受け入れる病院側として何が必要なのか?

 

医師の教育は勿論必要です。

ACHD学会でも専門医制度があります。

しかし検査を医師は勿論、臨床検査技師や放射線技師など検査を実際担当するスタッフの教育も重要ではないかと思います。

このコロナの状況で研修に行くのは難しいかもしれませんがこれから先天性心疾患外来を新たに始める、または最近始めた病院では診療に関わるすべてのスタッフへの研修をお願いしたいです。

 

最後に。

先天性心疾患を持っている方々へ。

転院で初めての病院や同じ病院内でも小児科から内科に通うことになった人もいると思います。

今までの治療と違ったり初めてする検査もあるかと思います。

その中で不安になったりそこからだんだん病院に行きにくくなったりするかもしれません。

症状がないから大丈夫、と自分で通院をやめてしまうことだけは決してしないでください。

悲しいですが私たちの病気には基本的に完治がありません。

今は症状はなくても加齢に伴い症状が出てきたり、自分の気付かないうちに病状が悪化していてある日突然動けなくなることもあります。

そしてもう一つ残念なことに少しずつ増えてはいますが、私たち先天性心疾患を診てくれる病院は限られています。

突然しんどくなって近くの病院に行ってもすぐにしっかりした治療を受けられるかは分からないし他の専門病院に紹介される可能性もあります。

そうならないように症状はなくても病院にはしっかり通院してください。

今の治療法に納得が行かない場合はセカンドオピニオンという方法もあります。

遠慮しなくていいです。

我慢しなくていいです。

自分が納得いく説明、信頼できる治療をしてくれるところを探しましょう。

 

 

患者として臨床検査技師として色々考えてみましたが、移行期医療はまだまだ課題が多く心疾患以外にも疾患を抱えている患者も多いです。

患者だけど検査する側の大変な気持ちも分かってしまうというちょっと複雑な気持ちになりました。

 

長くて読みにくいですが最後まで読んでくださりありがとうございましたニコニコ