2016年東京で開催された全日本模型ホビーショーの会場にて、アオシマの担当者の方からまもなく発売されるパガーニ ウアイラについていろいろお話を伺ってきました。
会場に入って一目散に向かったのがアオシマブース。
このパガーニ ウアイラがどんなキットになるのか気になっていたので。
早速担当の方にお話を聞きました。
まず最初に聞きたかったのが、なぜウアイラにしたのか?ということ。
このウアイラというクルマ、知っている人は知っているでしょうけどやはり知名度が高いとは言えないと思います。
いわく、海外での販売を主眼に考えたとのこと。
主にヨーロッパなどの市場のことだと思うのですが、これからアオシマはそういった市場での販売も力を入れていきたいのだとか。
タミヤやハセガワはすでにあちらでは素地を固めていますが、アオシマはまだまだ弱いようです。
確かに言われてみると、英国の模型通販のHANNANTSでもタミヤとハセガワは扱ってても、アオシマの製品はほとんど扱ってないようです。
それ故の車種選択だそうです。
ただ、今回お話を伺った担当の方は、前任者からこの企画を引き継いでいるだけなので、なぜこのような車種選択になったかの詳しい事情はわからないとのことでした。
ちなみに前任者の方は、設計にあたり現地まで行って取材を行ったそうです。
いざ会場でパーツを目の前にすると、なかなかこれは、と思います。
パーツがひじょうに細部まで分割されていて、今までリリースされたランボルギーニなどと比べるとかなり細かくなっていることがわかります。
いわく、今回は従来よりもより全体を細かく再現するようにしたのだとか。
アヴェンタドールやマクラーレンなどは、エンジンなどをだいぶ再現しているものの、それでもサスペンションのロワアームなどはアンダーパネルと一体だったりと、見えないところで相応の省略が行われていました。
ところが今回はサスペンションまわりはごらんのようにかなり細部まで再現されており、エンジンも裏側まできちんと再現するよう努めたのだとか。
とくに上の写真の部分などは、パーツ数が多いので組み立てるのにかなり時間を要すると思いますヨ、とおっしゃっていました。
パーツをできるかぎり一体化したり、見えないところは省略したりして、とにかく組み立てやすさを追求するキットがある一方で、今回のキットは真逆の方向にチャレンジしたそうです。
実際ユーザーから、作りやすいキットをという要望があることはアオシマでも把握しているようで、もちろんアオシマとしてもそれを無視するわけではないようです。
作りやすさを追求するかディテールを追求するかという方向性の違いは、車種によって使い分ければいいのではないか、というのがアオシマの考えのようです。
たとえばプリウスのような一般にも知名度が高い車種を製品化するなら、ここまでパーツを細分化するよりも作りやすさを優先するなど、要は対象となるユーザーを見極めてそれに合わせた方向で製品化していくということ。
その上で導かれたのが今回のウアイラのパーツ細分化とのことです。
ボディカウルは前後とも開く上に、ドアも開閉可能です。
フロントとリアにあるスポイラーも可動します。
差し替えではなく、可動するのです。
カウルが開閉するので、見えるところはすべて再現されています。
当然、ここまで再現するとパーツ数は多くなります。
金型製作中の段階なので、残念ながらランナーの展示はなかったのですが、そうとうな量になるようで、箱の大きさも大きめになるのだとか。
しかしこれで定価が4,500円。
内容を考えるとちょっと安い気がしますが、いわく「本当は6千円くらいにしたい」とのことでした。
これだけの内容を4,500円で売るというのは、かなりカケになるようです。
30年前にくらべたらあきらかに売れる個数が限られているこのご時世に、このようなキットがどこまで売れるのか、アオシマはチャンレンジしているようです。
あと、バリエーション展開をほとんど考えていない点も要注目です。
アヴェンタドールはバリエーションをほぼ網羅するようにリリースしたのに対し、ウアイラはもともと種類が(実質)ないので、展開しようがないのです。
これはメーカーにとってはますます4,500円の重みが増すことになります。
実は私はウアイラは予約はしてませんでした。
だって、ウアイラなんて名前も聞いたことないし、そんな得体のしれないクルマのキットはちょっと、、、と正直思ってました。
ですが今回実物を目の当たりにしてみると、完成した姿は思ったよりカッコイイし、作り応えがありそうでおもしろそう、という気にすっかりなってしまいました。
今日お店行って予約してこようと思います。