$映★画太郎の MOVIE CRADLE


アダム・シャンクマン監督、ディエゴ・ボネータジュリアン・ハフトム・クルーズキャサリン・ゼタ=ジョーンズアレック・ボールドウィンポール・ジアマッティ出演の『ロック・オブ・エイジズ』。PG12



Don't Stop Believin'


1987年のL.A.。歌手としての成功を夢みてオクラホマからやってきたシェリー(ジュリアン・ハフ)は、ライヴハウス“バーボンルーム”で働きながらロックスターを目指す青年ドリュー(ディエゴ・ボネータ)と知り合い、彼の紹介でいっしょに働くことに。やがてふたりは恋仲になる。しかしある日、人気バンド「アーセナルズ」の前座を任されたドリューは、控え室からアーセナルズのヴォーカルのステイシー(トム・クルーズ)とシェリーが出てくるのを見てしまう。


ブロードウェイのロックミュージカルの映画化。

トム・クルーズがロックスターを演じるということで、なんか面白そうだと思って観てみました。

ただ、僕は音楽のことがまったくわからないので80年代ロックにもうといし、この作品のなかで使われている曲のどれがじっさいに80年代のもので、どれがミュージカル用に作られた曲なのかもわからない。

そんなんではたして楽しめるのかな、という不安はあった。

それと以前、歌舞伎町のコマ劇場でQUEENの曲をフィーチャーしたロックミュージカル「We Will Rock You」の公演を奮発してかなり前の席をとって事前にビールも飲んで気合いガンガンに入れて観たんだけど、ほかのお客さんたちのようにノリノリでいっしょに歌うことができずおまけに内容もよくおぼえていないという体たらくで、なんというか、俺はこういうの向いてないのかも、と思ったのだった。

ミュージカルって、映画だったらまだ楽しめもするんだけど(特に昔のフレッド・アステアとかジーン・ケリーなどの超絶的なテクニックのダンス)どうも僕はライヴというのが苦手なようで、せっかく目の前でやってるのにステージの間近で観てるとしばしばダンサーと目が合ったような錯覚におちいって照れちゃったり、途中でふとわれに返って冷めてしまったりするんですよね汗

ましてや「おなじみのナンバー」を知ってるからこそ楽しい、という作品を音楽に無知な俺が観てどうなのかと。

以下、ネタバレあり。



で、結論からいうと、やっぱりよくわかんないとこはあった。

どの曲がカッコ良くてどれはダサいのかっていうのもよくわからんし。みんな似たような感じに聴こえる…汗

なんとなく聞き覚えのある曲は何曲かあったけど。


Paradise City - Tom Cruise


ただミュージカルって基本ストーリーとか内容そのものはどれもシンプルなので、これもお話自体はまったくむずかしくはない。

田舎から出てきた若い男女の恋、夢と希望、成功と挫折や別れ、そして再会…それらがなつかしのロックナンバーとともに描かれるというわけ。

じつはこの日、「映画の日」ということで僕はなにをトチ狂ったのか映画を3本ハシゴして(『最強のふたり』『エージェント・マロリー』につづいてこの映画)けっこうバテていたこともあって、映画の全篇に流れるロックを子守唄代わりに何度かオチそうになりながらの鑑賞でした。

「ロック」ったっていろいろ種類があるんだろうけど、この映画で使われてるのはどれもメロディアスな耳に心地良い曲ばかりなので、観てるうちに定期的にα波が襲ってくるのだった。

この映画ではじめて見たヒロインのジュリアン・ハフが可愛くて(笑顔がときどきシンディ・ローパーっぽかったり)なんとなくいかにも80年代に観た映画のなかに出てくる女の子といった感じで、彼女が80年代ファッションで歌い踊る場面はとても楽しかった。

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一応主人公のドリューを演じるディエゴ・ボネータの髪型やファッションがロックミュージシャンから後半にいかにもバブルの頃のあちらのアイドルっぽいものに変わるとこなんかも可笑しくて(ダサダサのラップユニット「ズィィ・ガイ~~ズ」のPV場面でイーライ・ロスが出演していた)。

いつも半裸のトム・クルーズが記者のおねえさん(『ウォッチメン』のスーパーヒロイン演じてた人らしいが、ぜんぜん気づかなかった)を脱がしながら踊る場面も、アレック・ボールドウィン演じる“バーボンルーム”のオーナーが同性愛に目覚めるとこなんかもバカバカしくて面白かった。

舞台になってる1987年というのは、映画でいえば、女性をレイプしようとしていた男の股間をロボコップがオート9で撃ち抜いてた頃である。

前年の86年にはトム・クルーズ主演の『トップガン』が公開されている。

あの時代をリアルタイムで過ごした者としては、アーティスト名とか曲名とかファッションのこととかはわかんないけど(おたくなので)、当時の雰囲気が感じられてなつかしい気分に。

だからそれだけでじゅうぶんだった気はする。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズが演じるキリスト教右派の市長夫人は映画用にアレンジされたキャラクターらしいけど、なんだかもうまるで叶姉妹みたいなスゴい顔になってて、それでガンガン歌って踊るもんだからトムクル以上にインパクトがあったのだった(^▽^;)

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最後の格好もイッちゃってたし。

駅のすぐ近くのシネコンということもあって年配の人たちがいつもけっこういらっしゃるんだが、おじいさんとかこの映画観てどう思ったんだろ。

途中で出入りする人がやけに多かったけど、みんな楽しんだんだろうか。

ロックへの強いこだわりや思い入れがある人たちが観たらどうなのかわかんないけど、僕は心地良いひとときを過ごしましたね。

この映画のサントラはちょっと聴いてみたいと思った。

けっきょく、トムクル演じるステイシーとシェリーのあいだにはなにもなくてドリューの早合点だったことがわかり、仲たがいしてたふたりはまたもとのさやにおさまってめでたしめでたし。

これもほんとの舞台で生で観てたら、僕はしんどかったかもしれないな。

映画でよかった。



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