タイトルは、メンタリストのDaiGoさんとやら(あまりよく知りませんが)が発言された言葉でして、絶賛炎上中とのことです。

私は優生思想だとかヘイトクライムだとかいう観点ではなく、単なる事実だけに触れます。


まず、


「僕は生活保護の人たちにお金を払うために税金を納めてるんじゃない」


という部分ですが、DaiGoさんが払った税はそもそも生活保護の原資になっていません。DaiGoさんが払った税は、格差、景気、インフレ率などの調整、その他様々な政策の「意図」として(「原資」ではなく)徴収され、この世から消滅します。あなたが払った税は生活保護には一円も使われていないのでご心配なく。

もちろん、現在の経済政策においてはその「意図」に大変な誤りがありますが、それはまた別の話です。


「生活保護の人が生きてても僕は別に得しないけどさ、」


この点ですが、生活保護の人々は当然ながら消費しないと生きていけませんので、一般政府からの財産移転として受け取ったお金(繰り返しますがDaiGoさんは一円も負担していません)を何かの形で使います。

その「使ったお金」は、DaiGoさんが納めた税とは違って、生きたまま実体経済を巡ります。

すなわち、誰かの所得になり、誰かの命をつなぎます。この「誰か」とは、私もDaiGoさんも当然含まれています。DaiGoさんも私も、他人に生かされています。残念ながらこれは宗教的観念的なものではなく、事実です。優秀な人ほど認めたくないことかもしれませんが、経済は一方通行ではないので、どうしてもそうなります。


西村ひろゆきさん、堀江さん、そしてDaiGoさんも、例えばコンビニに並んだ「おにぎり一つ」として自分で用意することはできない、ということを知ろうとしません。

全ての人は、他人に寄りかかって生きています。そして、寄りかかられた側の人だって、また別の誰かに寄りかかって生きています。

そのためには消費が必要です。作ったものを誰かが消費してくれるからこそ、他の誰かが寄りかかってくるのを支えることができます。


生活保護費を年間2.6兆円とすると、この人々が(お望み通り)「何も消費しなくなった」場合、全くの単純計算でひとり平均21700円の所得減です。もちろん影響には濃淡があるので、もっと遥かに減る人も出てきます。またマイナス側の乗数効果もあるので、実際はもっと大きくなります。

すると、まあDaiGoさん御本人は安泰だとしても、


「(生活保護とちがって)ぜひ生きてて欲しい人たち」


が一部死ぬことになります。または生活保護を新たに受け始めることになります。これも事実です。認めるかどうかは関係ありません。

すると、DaiGoさんはそういう事情で生活保護を受けることになった人も、


「生きてても僕は得しない」


と言ってのける対象になるわけですから、それらの人々もまたお望み通り「何も消費しなくなった」としましょう。

さて、つぎは国民一人当たりいくらの影響があるのかな、と。これは延々とつづきます。


以上、道徳的なことには何一つ触れていません。事実を思いっきり誤認していますよ、というだけの話です。