え!?食べ物を粗末にする絵本!? | 講師のための絵本読み聞かせ講座:國本ひろみ

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講師のための絵本読み聞かせ講座です。

こんにちは、國本ひろみです。

ふじもとさんの絵本は、食べ物がよく出てきます。
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この3作目の「おかおに なあれ!」は、クッキーやおせんべいや、チョコレートなどを使って、顔をつくって遊ぶ絵本です。

実は、この食べ物で遊ぶという感覚がどうも苦手だと、よみきかせの現場の声を聞きました。

そうですね、ほとんどの人が、「食べ物を粗末にするな、食べ物で遊ぶな!」と、さんざんそう聞かされて育ちましたものね。


だから、違和感を感じてしまうのかもしれません。。。


しかし、きっとそれもこれもわかった上での制作だったはずです。


ここは、単刀直入、作者のふじもとさんに聞いてみました!



國本さんへ  

『食べ物で遊ぶな』 それは、私も編集者も想定してたの。

でも編集者さんが、「お菓子でお顔を作るくらいで、子どもたちが食べ物を粗末にする子に育つとか、ないから。

そんなに子どもはやわで単純ではない。

変なことを言われるなら、私に言ってきなさい!」ってね。

でもね、案外聞こえてこないのよ。

作者には言わないだけかもしれないけどね。

そして今、キャラ弁とか流行っているから、若いママたちには違和感がない感じがした。

それに、お菓子で遊んだあと、葉っぱで遊ぶとか、おもちゃで遊ぶとか、 色々な造形遊びに発展するケースが多々あるの。

お顔を作っても、お菓子を残したりしないしね。

みんなすぐ食べちゃうみたいよー。

まあ、お菓子を前にして食べない子はいないよね。


なるほど!

すっきりの回答を頂きました。

ふじもとさん、ありがとうございました!

絵本の制作サイドは、
、プロが何人も集まって、いろんなことを想定して、吟味して吟味して、練りに練って、作ってらっしゃいます。

1冊の絵本の中には、必ず信念がつまっています。

それを、こうしてしっかり伺えてよかったです!

もし、この絵本に、なにかひっかかりを感じた方がいらっしゃったら、是非この回答を参考にしてみてください。

もちろん、その上で、子ども達に読んであげるか否かは、自由です。

今回、疑問に思ったことで確認できたことがありました。

絵本を選ぶ上で、そうやって真剣に絵本を選んだ気持ちと、幼い頃から正しい教育をされた経験です。

今流行りだから、子どもにウケるからという理由だけで、この絵本を選んでいれば、こうした疑問は出てきません。

食べ物を粗末にするなと教えられ、箸の上げ下げにうるさく言ってもらえ、育ててもらったことを思い出しました。

それを思い出すからこそ、「いいのかしら?」と止まってしまうんですよね。

また、「そんなに子どもはやわで単純ではない。」という言葉にもはっとしました。

子どものチカラをもっと信じたらよいのではないかと・・・!

この絵本がきっかけになり、またそういったことも、深く考えるきっかけになったことを、私はあらためて感謝しました。

ふじもとさん、素敵な絵本を作ってくれてありがとう!!


★絵本作家ふじもとのりこさんの「○」しか描かない絵本ワークショップ」パート2

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