日曜日に見えた礼文島です。
礼文島も雪をかぶっていますね。
どう解く?
やまざきひろし 文
きむらよう
にさわだいらはるひと 絵
ポプラ社
「答えのない道徳の問題」という副題がついています。
タイトルがいいですね。
「道徳(どうとく)」と「どう解く(どうとく)」をかけているんですね。
答えのない、とあるのですから、きっと解けないのではないのかな?と思います。
じゃあ、どうするのか?
と言えば、解けない以上は「考えろ」ということでしょう。誰もが納得する答えは出せないかも知れないけれど、自分なりの答えというのは出せますね。
どんな問題が書かれているのかというと、
「食べていい動物と、食べちゃいけない動物の違いってなんだろう?」
「ついていい嘘と、ついちゃいけない嘘ってどう違うんだろう?」
「人数が多い方が、正しいってどうして言えるんだろう?」
などなど。
考え込んでしまう問題が次々と出題されます。
おそらく人によってバラバラの答えが出てくる問題もありそうです。
この本の楽しみ方は自分で考えてみること。
実は後半のページには、一つ一つの問題について幾つかの答えや意見が載っています。その中に一つの問題について一つずつ、有名な人が短い文を書いています。有名な人、というのは例えば、
池上彰さん、尾木直樹さん、谷川俊太郎さん、羽生善治さん、などです。
そういう意見も読んでからも、また考えてしまうと思います。この本のタイトルの通り解けずに終わるかもしれませんが、やっぱり考えることに価値があるように思います。
あとがきを読むと、この本は子ども達の自殺やいじめ、などのニュースから生まれたそうです。
子ども達に
相手の立場になって考えること。
他者を思いやること。
必ずしも答えは一つでないこと。
そんな多様な視点で物事を判断する力が減っているのではないか?
というところから生まれた本なのだそうです。
つまり、子ども達に多様な視点で判断する力を養う本、ということです。
これは大人にとっても大切な力ですよね。子どもに限らず、大人の頭の体操にも良い本だと思いました。頭と心の筋力をつけよう。
明日も良い一日でありますように。