今日も雪の壁と心暖か『天女かあさん』 | 絵本島 

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 今日も雪の壁。雪が多すぎて、道路だけ除雪しました、という感じ。歩道は除雪が間に合いません。


 下向きの矢印は道路の縁がここまでですよ、という印。

 視界が良くない時に、道路はここまでか、と運転の時に見たり、除雪の目印になるものです。歩道は雪山になってます。復旧にはもう少し時間がかかるでしょう。


 今日の絵本は


天女かあさん

ペク・ヒナ 作

長谷川義史 訳

ブロンズ新社


 寒い冬でも心あったかなお話です。

 天女かあさんの顔が雲で隠れてますが、顔ははっきり言って面白いです。


 仕事中のホホのかあさんに電話がかかってきました。子どものホホが熱を出して早退きしたのです。かあさんは、ホホのことを誰かに頼もうと電話しました。すると電話が混線したようなのです。


「ん…うん?」と、電話の返事ははっきりしません。が、かあさんは慌てているので、自分のお母さん、つまりホホのおばあちゃんと間違えています。

 家に行ってホホを見てほしい、と頼んで、電話を切ってしまいました。


 ホホのかあさんの電話が混線した相手は実は天女でした。心優しい天女は、間違えてるなーと思いました。でも、子どもが病気では仕方がない。お母さんになってあげよう、と下界に降りて、ホホの家に行きました。


 そこへ熱で赤い顔をしたホホが帰って来ます。

 ここで天女の顔がどーんとはっきり登場します。大きな顔で、白塗りのおたふくみたいです。

 これが天女なのか?

と言いたくなるような天女離れしたお顔です。さすがいたずら人形作家を名乗るペク・ヒナさん。

このキャラのインパクトとパワーはハンパないです。


 そしてこのおたふく顔の天女がとても優しいのです。ホホに聞いて卵スープを作ってあげて、部屋を暖めてあげて、乾燥した部屋に雲を作って霧雨を降らせ、ふわふわの雲の布団にホホを寝かせてくれました。


 一眠りしたら治る、と言い残して天女かあさんは天に帰って行きました。


 慌てて仕事から帰って来たホホのかあさんは、雲の布団で眠るホホを見て安心します。そして…天女かあさんはでっかいオムライスも作って行ってくれました。ついでに羽衣の上着を忘れて行ったみたいです…。


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 心優しく、お人好しで、ちょっと抜けてる、ちっとも美人じゃない天女の天女かあさんは、最高です。面白くって心優しい物語は、心を豊かにしてくれます。


 ペク・ヒナさんはキャラを人形で作り、写真撮影をするという手法をとっています。この人形たちの表情が、大袈裟で、面白くてすごくいいのです。表情は言葉の違いを超えて気持ちを伝える力がありますね。表情こそが世界共通の言語という人もいるくらいです。全く違う国の知らない言葉の人たちでも、表情を見れば、喜んでいる、悲しんでいる、怒っている、などの感情が伝わりますすね。

 そんな力を持ったペク・ヒナさんの人形たちです。


 『天女銭湯』もおススメです。