凍った川と『さらわれたりゅう』 | 絵本島 

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 これも昨日北海道神宮に行った時のものなんですが…。小さな川が凍っていました。けれど、水の音がします。


 よく見ると氷の真ん中をチョロチョロと水が流れていました。段差のところは勢いがよかったです。

 例年より雪も少なく暖かいと思っていましたが、やっぱり冬は冬。寒いんだなあと、思いました。


 今日の絵本は


 

 さらわれたりゅう

沼野正子 作

福音館書店


 来年の干支、龍の話です。「今昔物語より」とあります。「今昔物語」にこんな話が載っているんですね。


 日照りの続く夏に、村人たちが池の龍に雨乞いをしています。太鼓を鳴らして賑やかです。それを聞いた天狗は「俺だって雨ぐらい降らせてやれるのに」と面白くありません。

 ある日、蛇になって寝ていた龍をさらって、山の上の岩の間に閉じ込めてしまいました。


 さらに天狗は雨乞いのお祭りから帰ってきたお坊さんを「龍にばかり雨乞いする憎い坊主め!」とさらって山の上の岩に置きました。


 お坊さんは偶然、水を飲んでいた柄杓を握っていました。その柄杓の水の一滴で、龍が、蛇から龍へとよみがえりました。

 龍になると、ものすごい力を発揮します。稲光をさせ、雨を降らせ、都の空まで飛んで行って、天狗を懲らしめた、という話です。


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 天狗は自分も雨を降らせられるのに!と、龍に嫉妬して理不尽に龍をさらって困らせました。

 ところが龍は本来の姿に帰れば、天狗が足元にも及ばない強大な力を持っていたのです。

 龍はとてつもない力を持った生き物なんですね。

 そして、本物のすごい力を持ったものにはとても敵わない。嫉妬しても意味はないんですね。


「今昔物語」はいつか全部読んでみたい物語集です。